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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第74回

「理想の社会」って何それ? スタンダード反社会学な考え方

2010年06月22日 12時00分更新

文● 古田雄介

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パオロ・マッツァリーノの著書「反社会学講座」と「続・反社会学講座」(ともに、筑摩書房による文庫版)。プロフィール欄には「日本文化に造詣が深い、イタリア生まれのアラフォー戯作家」「父は九州男児の国際スパイ」と、どう捉えていいか微妙な情報が並んでいる

 「少年犯罪が深刻化している」「フリーターの増加で日本が傾く」――。

 そんな言葉を耳にしたとき、人は「そんな気がする」と頷いたり、「そんなわけないだろ」と憤ったりと、様々な反応をする。だが、自分でデータを調べて肯定や否定をする人はそういない。だからこそ、綿密な情報収集と論理でそうした「常識」をおちょくり続けるサイト「スタンダード反社会学講座」は、月1ペースの更新でも強烈な存在感を保っている。

 運営者は、「イタリア生まれのアラフォー戯作家」と自称するパオロ・マッツァリーノ氏。このサイトを皮切りに、「反社会学講座」「つっこみ力」「日本列島プチ改造論」など数々の著書を発表。様々な「世間でなんとなく信じられていること」をユーモアたっぷりに切り捨てている。ただし、その素性は謎に包まれたままだ。

 今回、そんなパオロ氏との接触に成功した。写真撮影禁止、素性に触れる質問も原則NGという条件のもと、インタビューに協力してもらうことになった。それでも話の節々からパオロ氏の内側の顔を覗くことができた。顔の見えるインターネット 第74回は、そんなパオロ氏の人物像に迫りつつ、情報との正しい対峙の仕方について聞いた。

スタンダード反社会学講座

 2001年にスタートしたサイトで、「学問で笑え。学問を嗤え。」の標語どおりに、学問や学説、そこから生まれた常識に対する批評を笑いに変えて論じている。公開されている文章は著書の叩き台となっているが、現在、講座の更新はしていないが、月1ペースで長文コラムをアップし続けている。アクセス数は本人も不明という。

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