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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第6回

ぼくはまちちゃん! こんにちはこんにちは!!

2007年09月03日 17時01分更新

文● 古田雄介

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小学生がバイトして『PC-8801』を買う


── “はまちや2”さんの本職は何でしょう?

はまちや2 エンジニアだよ。一部で流行っているマークアップエンジニア(笑)ってやつだね。

── いつぐらいからプログラミングを始めたのですか?

はまちや2 パソコンは小学生の頃から使ってるよ。ぼくは今、年を“19歳”って言ってるんだけど、その年齢でいうとおよそマイナス3歳の頃になるかな(笑)。新聞配達でアルバイトして、『PC-8801』という中古のパソコンを買って、ゲームを作るためにプログラムを勉強したんだ。


── それ以来、プログラミング一筋なんでしょうか?

はまちや2 そうでもないよ。学校も情報系ではなかったし。結構、勘違いする人も多いんだけど、僕はあまりプログラミングのスキルが高くはないんだ。

 ぼくは、クラッカーには3つの要素があると思っているんだよ。1つめは、システムの脆弱性やおかしな挙動に“気付く”こと。2つめは、その弱点を突くプラグラムを“作る”こと。3つめは、それをどういう手段で世に知らせるか、つまり“ネタ化”するかということ。

 旧来のハッカーやクラッカーは、プログラミングのスキルに長けていて、“作る”の部分が得意だったよね。でもぼくの場合は“作る”のところは本当に簡易なプログラムで、その代わりに“気づく”と“ネタ化”の力が少しだけ強いんだ。脆弱性を見つけたあと、いかに目立つ面白い“ネタ”にするか。そこが勝負だよね(笑)。

力説

ホワイトボードにて、“気付く”と“ネタ化”に注力していることを力説


── 技術があっても“気付く”ができる人は少ないですよね。サイトやサービスの欠点に気がつくコツは何かありますか?

はまちや2 これはぼくの性格なんじゃないかな。ゲームのRPGで「次に進め」って誘導されたとき、進まずに戻って全部の床を調べたらどうなるんだろうとか、子供の頃からそういうふうに遊んでいたんだ。

 今でも、制作者が想定していない行為をよくやるよ。例えば「2ケタの数字を入力してください」ってフォームがあったら、“9.9”とか“-99”とか入れてみる。ついついやってしまうんだよね。


── 普通だったらエラーメッセージが出てくると思うんですが、そうじゃない場合もあります?

はまちや2 よくあるよ。2ケタの数字とはちょっと違うけど、大手ポータルサイトでも、10分も探せばセキュリティホールの1つくらいは必ず見つけられるよ。


── そうした弱点を見つけた場合、すぐに自分のブログで報告するんでしょうか?

はまちや2 微妙だね。発見したけど、ブログに載せてないってものも結構多いんだ。あまりにヤバすぎて書けないときもあるし、逆に書いてもつまらないって場合もある。

 例えば、個人の掲示板とかは脆弱性があって当たり前なんだけど、それを暴いたところで意味がないよね。だから、GoogleやYahoo!、Internet Explorerとか“大物”がヒットして、かつネタが思いついたときだけ書くことが多いかな。

mxxi

はまちや2氏の別ブログ“mxxi”。こちらにも便利なネットツールなどが紹介されている

ツール類

本名など複数の個人情報が取得できてしまう『超mixi足あとちょう』(公開終了)といった危険なツールを制作し、物議を醸している


(次ページに続く)

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