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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第35回

「スク水PV」出現のなぜ 日本のネット音楽が向かう先

2010年09月11日 12時00分更新

文● 四本淑三

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大切なのは「インターナショナル」

―― もうひとつのポイントはインターナショナル対応ですね。YouTubeには英訳された歌詞が入っていて、海外のリスナーを意識している(YouTube)。

キャプミラ 訳詞は蛍石さんという方にお願いしたんです。海外の曲を日本語訳したり、日本語の曲を英訳したりされているんですが、ちゃんと詩的に解釈しつつ、きれいに訳す方なんです。

翻訳された歌詞がテロップに入ることで、海外からのコメントもつくように

―― 以前からボーカロイドの曲は海外でも人気ですよね。海外のリスナーがニコニコ動画からYouTubeに転載して、ローマ字で発音をつけたり、訳詞をつけていたりする例もあるし。

キャプミラ YouTube対応は最初からやっていれば良かったと思いました。海外の方で今回の僕の涸れ井戸スイミングをTwitterで紹介してくれている人がいて、「これはキャプテンミライのノン・ボーカロイド作品だ」みたいなことを言ってくれてるんですよ。

―― それはすごいですね。

キャプミラ 僕がボーカロイドをやっていることも分かっているし、しかもノン・ボーカロイドでリリースしたということまで認識しているんですよね。

―― そういえば海外にYouTube型のアダルトサイトがあって、日本のアニメは「Hentai」とか、いろんなカテゴリーがあるんですけど。その中に「3D」っていうカテゴリーがあって、つたない3DCGばっかりなんですが、これが割と人気らしい。僕なんかはそれでナニをどうするのかと思うんですが。

キャプミラ そこは僕とか四本さんはわからない世界かも知れないけど、今の若い世代はちっちゃい頃からゲームがポリゴンだったり、アニメもCGをベースにしたものだったりで、見慣れていると思うんですよ。僕らの世代でもマンガなら分かりません?

―― うん、それで慄然とするわけですが、おそらく3DCGの性表現に興奮する感性と、合成音に対して人格を妄想する感性は同じなんですよ。

キャプミラ それは日本人独特の感性でしょうね。機械でイラストなんだけど、そこに霊を感じるというのは。からくり人形とか、八百万の神が宿るみたいなことで。

―― そういう土壌を海外のリスナーは面白がっているような気もするんですよ。だとするとインターナショナル対応って、英語がうまく歌える歌えないの話じゃないかも知れない。現状でも日本語のままで通じてるんで。

キャプミラ ああ、なるほどねえ。

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