虚構の記事が現実になることも
── UKさんは普段どんなお仕事をされているんですか?
UK 一応、家庭教師と寺子屋……将来的には塾になると思いますけど、今は自営で小規模にやっている感じですね。だから、虚構新聞の記事を書くのは、生徒がいないお昼前などが多いです。あるいは、深夜過ぎてなぜかアドレナリンが多量に分泌されたときとか。そういうときは、何かが降ってきたみたいに感じて夢中で書きますね。
── 記事をアップするペースは週イチくらいでしょうか?
UK 最近滞っています。1ヵ月くらい間が空くのもザラです。その時に関心があることにだけ集中してしまうんですよ。今はiPod touchにはまっているので、更新がおろそかに(笑)。まあ、浮かんだネタをメモ帳に書いておくとかは、いつもやっていますけど。
── 不定期更新だと習慣になりにくいので、長期的にサイトを運営するのは大変じゃないですか?
UK 僕の場合、いいネタを思いついたら、書きたくてたまらなくなりますね。虚構新聞的ないいネタというのは、ありそうでないウソ記事です。単に荒唐無稽なウソではなく、起こりえそうな内容が浮かぶと夢中になりますね。そのエネルギーが継続の原動力だと思います。
── 「だましやすい記事」ってことですね。確かに、「『萌え』の起源は枕草子」って記事があったら「ああ、そうなのか」と思う人がたくさん出てきても不思議じゃないです。
UK ですね。今はアドレス見ただけで「ああ、虚構新聞か」って言われますけど、昔は結構引っかかる人が多かったです。
── 虚構の記事が、あとで本当になってしまった、ということはありますか?
UK 2回ありますね。ど根性大根のパロディで「ど根性スイカ」という記事を書いたら、本当に出てきましたし。宇宙が見られる「Googleユニバース」というネタを考えたら、今はGoogle Earthの機能で現実のものとなっていますし。
── 予言者ですね(笑)。ちなみに、虚構新聞社は「社会風刺を土台にした、言論・報道機関」とのことですが、「ど根性スイカ」や「Googleユニバース」は風刺とは違ったアイデアと思います。
UK 虚構新聞社の記事は、だいたい2パターンあるんです。ひとつは時事風刺がきっかけで書き出すもの。もうひとつは、あるワードが使いたくなって、そのワード中心で記事を空想するものです。ど根性スイカとGoogleユニバースは後者になります。まあ、どちらの場合も、記事に関わる周辺情報を集めて、つじつまを合わせることが大切ですね。全部がウソだと説得力がなくなりますから。
(次ページに続く)
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