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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第10回

99%がウソ記事!?──「虚構新聞社」の社主が語る、ノンフィクションな本音

2007年10月29日 19時00分更新

文● 古田雄介

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虚構の記事が現実になることも


── UKさんは普段どんなお仕事をされているんですか?

UK 一応、家庭教師と寺子屋……将来的には塾になると思いますけど、今は自営で小規模にやっている感じですね。だから、虚構新聞の記事を書くのは、生徒がいないお昼前などが多いです。あるいは、深夜過ぎてなぜかアドレナリンが多量に分泌されたときとか。そういうときは、何かが降ってきたみたいに感じて夢中で書きますね。


── 記事をアップするペースは週イチくらいでしょうか?

UK 最近滞っています。1ヵ月くらい間が空くのもザラです。その時に関心があることにだけ集中してしまうんですよ。今はiPod touchにはまっているので、更新がおろそかに(笑)。まあ、浮かんだネタをメモ帳に書いておくとかは、いつもやっていますけど。


── 不定期更新だと習慣になりにくいので、長期的にサイトを運営するのは大変じゃないですか?

UK 僕の場合、いいネタを思いついたら、書きたくてたまらなくなりますね。虚構新聞的ないいネタというのは、ありそうでないウソ記事です。単に荒唐無稽なウソではなく、起こりえそうな内容が浮かぶと夢中になりますね。そのエネルギーが継続の原動力だと思います。


── 「だましやすい記事」ってことですね。確かに、「『萌え』の起源は枕草子」って記事があったら「ああ、そうなのか」と思う人がたくさん出てきても不思議じゃないです。

UK ですね。今はアドレス見ただけで「ああ、虚構新聞か」って言われますけど、昔は結構引っかかる人が多かったです。


── 虚構の記事が、あとで本当になってしまった、ということはありますか?

UK 2回ありますね。ど根性大根のパロディで「ど根性スイカ」という記事を書いたら、本当に出てきましたし。宇宙が見られる「Googleユニバース」というネタを考えたら、今はGoogle Earthの機能で現実のものとなっていますし。

ど根性スイカ

2006年6月に掲載された「ど根性スイカ」の記事。2007年7月、実際に和歌山県でアスファルトからつるを延ばしたスイカが発見されて話題を呼んだ


── 予言者ですね(笑)。ちなみに、虚構新聞社は「社会風刺を土台にした、言論・報道機関」とのことですが、「ど根性スイカ」や「Googleユニバース」は風刺とは違ったアイデアと思います。

UK 虚構新聞社の記事は、だいたい2パターンあるんです。ひとつは時事風刺がきっかけで書き出すもの。もうひとつは、あるワードが使いたくなって、そのワード中心で記事を空想するものです。ど根性スイカとGoogleユニバースは後者になります。まあ、どちらの場合も、記事に関わる周辺情報を集めて、つじつまを合わせることが大切ですね。全部がウソだと説得力がなくなりますから。


(次ページに続く)

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