CrystalDiskMark
最後はド定番の「CrystalDiskMark 5.1.2」だ。テストデータのサイズは50MiB、500MiB、1GiB、4GiB、8GiB、16GiBで実施。データサイズの違いでパフォーマンスに差が出るかもチェックしてみた。
シーケンシャルリードは最高564MB/secで安定しているが、ライトはテストデータ4GiBから荒れ始め、8GiBからはシーケンシャル、ランダムともに90MB/secになってしまっている。
追加で試した2GiBでは1GiBと同じパフォーマンスを発揮しており、4GiBでも、「Seq Q32T1」500MB/sec、「4K Q32T1」261MB/sec、「4K」477MB/secを出すこともあったので、4GiBあたりで、キャッシュからデータがあふれてしまうようだ。
480GBモデルも傾向は同じだが、SLCモードに割り当てられているキャッシュの容量が違うようで、データサイズ8GiBでライトパフォーマンスの低下が起こり始め、シーケンシャル、ランダムライトともに180MB/sec台まで落ち込んでいる。シーケンシャルライトは、現行HDDの最外周と同程度となるが、ランダムライトはHDDだと数MB/secなので、十分高速。
240GB、480GBともに、大容量書き込み時に速度が落ち込むが、リードとランダムライトがHDDよりも圧倒的に高速な点は変わらないままだ。
日常用途で、ここまで大容量の書き込み作業を行なうことは少ないので、使い勝手には大きく影響しないが、4K動画などの高解像度素材を扱う編集作業領域や仮想OS領域といった用途は避けたいところ。
この速度低下は「N550S」シリーズに限らず、NANDフラッシュメモリーの一部をキャッシュとして利用しているSSDでは、キャッシュがあふれて書き込み速度が低下する可能性がつきものになっている。
ただ、「2万円以下で買える格安480GB SSDの性能は価格以上か?」の記事でテストしているように、同じエントリークラスのSanDisk「Ultra II SSD」、Crucial「BX200」などでは、テストデータ32GiBでもパフォーマンスの低下はわずかという事実もある。
激しさ増しているエントリークラスSSD戦線だが、製品価格の差はSLCキャッシュとして利用する領域の容量といえるかもしれない。機会があれば、エントリークラスの製品をいろいろ集めてテストしてみたい。
日常用途ならコスパ抜群のNetac
キャッシュあふれによる速度低下はあるもの、最安クラスの価格帯で、最高500MB/secオーバーのリード・ライト性能を発揮したNetac「N550S」シリーズは魅力的。
日常用途PCのシステムドライブや旧型ノートPCやデスクトップPCの低コストパワーアップ、ファンレスの小型静音PC、2.5インチ外付けケースと組み合わせたUSBモバイルストレージなど、大容量の書き込み作業を行なわず、もし速度低下しても気にならない用途なら、最安価格帯のNetac「N550S」シリーズの選択は十分ありだろう。
ちなみに、Phison製SSDコントローラーのPhison S10を採用した製品は、さまざまなメーカーが販売している。その上、メーカーが異なっていても、各チップの配置や基板記載の型番的な文字などが、まったく同じ製品も多い。まったく確証のない話になるが、Phison S10と東芝TLC NANDフラッシュメモリー採用SSDの出所は、すべて同じかもしれない。
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