階調やシャープネスを細かく比較してみた
最後に、できる限りの同一条件で撮り比べてみた。装着されているレンズの性能差があるのでこれがすべての結果ではないが、前回同様一定の光源が得られるように撮影用の蛍光灯を使用。ニコン Dfだけ絞りF11、そのほかは絞りF8で絞り優先オート(露出補正なし)で撮影している。感度はパナソニックの2機種がISO 125のほかはすべてISO100、ホワイトバランスはオートだ。明るさや色に差があるのはカメラごとの個体差となる。
黒い背景に白っぽい花と、ちょっと極端な構図だが、ニコンだけが背景の黒の影響が大きく出てしまい、ほかの画像よりも明るくなっている。しかし白っぽい花のイメージには近く、ほかのカメラの露出が中央部の明るい花びらに影響されて暗くなってしまっているという見方もできる。なお、適正露出に近いのはソニーのα7R/α7だ。
階調の出方が綺麗なのはDfとα7R/α7のフルサイズ勢。次いで富士フイルム X-E2でその後にマイクロフォーサーズ勢が続く。
マイクロフォーサーズの3機種の中ではパナソニックのGX7、GM1がわずかに優っているように見える。注意しておきたいが、マイクロフォーサーズ勢の階調幅が狭いわけではない。あくまでも比較した場合の差であって根本的な性能は高い。画像を確認してもらえばわかるはずだ。
シャープネスはオリンパスのE-M1が一番シャープだが、これはエッジ強調が強めに掛かっているからだ。次いでα7、パナソニックのGX7、GM1、ソニー α7R、富士フイルム X-E2と続く。なお、あくまでも全体的には十分シャープであり、X-E2のシャープネスが甘いわけでは決してない。
質感の再現性、ディテールだが、E-M1がシャープネスが強い分、ほかの機種よりも若干劣る。しかし、モニターで100%表示して確認しての話で、これを350dpiくらいで縮小しないで印刷したら、おそらく一番綺麗に見えるのではないかと思う。
画質のバランスが一番いいのは「α7」
7機種の画像を見比べて思うのが、それぞれの方向性の差だ。レンズの性能差があるのが前提だが、エッジ強調も含め、シャープネスが高いのは何も処理をしないで撮ってそのまま見たり印刷に使ったりするのが目的。マイクロフォーサーズの3機種はその方向性で絵作りがされているように思える。
DfやX-E2はシャープネスも発色もおとなしい。階調幅は広い絵で縮小しての表示や印刷する分には問題ないが、100%で使うにはちょっとシャープネスを上げるなどの処理がしたくなる。
マイクロフォーサーズ勢とDf/X-E2の中間的な仕上がりになっているのがα7Rとα7だと思う。
個人的な好みとしては、一番画質がいいと感じたのはソニー α7、次いで富士フイルム X-E2だ。ガチガチにシャープな絵作りが好きな人だとマイクロフォーサーズ系の仕上がりのほうが好みだろう。
しかしながら、どれも十分に高画質な写真が撮れるのは間違いなく、極端な光の明暗差や強弱がない条件ならフルサイズもAPS-Cサイズもマイクロフォーサーズもどれも差はないと言ってしまってもいいだろう。
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