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新橋駅「幻のホーム」公開! ひんやりとした空気に戦前の匂いを感じた!

2007年12月02日 20時50分更新

文● アスキー戦車部長Y

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 「副都心線トンネルウォーク」に続き、地下鉄開通80周年記念イベントとして今度は「新橋駅幻のホーム公開」が1日に実施された。ということで銀座線新橋駅、その西新橋改札周辺にやってきましたASCII.jpミリタリー特別取材班。といっても今日は軍ネタの取材ではなく、この「80周年記念新橋駅幻のホーム公開」イベント取材にやってきたのだ。

案内看板旧新橋駅ホームの公開を告げる案内看板。今回の特別公開に応募した人数は約3000人で、そのなかから抽選に当たった150名のみがこのイベントに参加できた

 さて、この幻の新橋駅とはいったいなんのことだろうか。実は東京メトロ銀座線新橋駅には、今では使われていないホームがあり、それが幻の新橋駅と呼ばれているのだ。この幻のホームは通常は非公開で見ることも入ることもできない。

駅名標 駅名標
幻の東京高速鉄道新橋駅の駅名標。劇場用アニメ「機動警察パトレイバー2 the Movie」で印象的な使われ方をしていたので覚えている人も多いだろう

 この幻のホームは東京メトロの成り立ちに密接に関連している。東京メトロは2004年以前は帝都高速度交通営団こと営団地下鉄という特殊法人だったが、そのまた前身は東京地下鉄道、そして東京高速鉄道という2つの民営鉄道会社だったのだ。

銀座線80年物語銀座線80年物語(今回のイベント会場内掲示のパネルより)。銀座線のなりたちが簡潔に記載してある

 まず早川徳次(はやかわのりつぐ)氏率いる東京地下鉄道は1927年(昭和2年)に浅草~上野間を建設、東洋初の地下鉄開業を成し遂げた。そして1934年(昭和9年)新橋まで開業となった。

東京地下鉄道上野開業時の記念写真 昭和初期の新橋駅地下
東京地下鉄道上野開業時の記念写真(イベント会場内掲示のパネルより)昭和初期の新橋駅地下(イベント会場内掲示のパネルより)
昭和初期の銀座 昭和初期の渋谷
昭和初期の銀座の町並み(イベント会場内掲示のパネルより)昭和初期の渋谷の町並み(イベント会場内掲示のパネルより)

 そしてもう1社が五島慶太(ごとうけいた)氏が率いる東京高速鉄道だ。五島慶太氏は合併や買収を繰り返し、現在の東急グループを作り上げた敏腕企業家だ。この東京高速鉄道は、1938年(昭和13年)から営業を開始し、1939年(昭和14年)1月に渋谷~新橋間全線が開業した。当初、東京地下鉄道は新橋から品川方面への延伸を計画していたため、東京高速鉄道との乗り入れを拒否。地下鉄新橋駅には両社の駅が並立することになったわけだ。乗り換えには一旦改札を出なくてはならないなどかなり不便だったらしい。
 結果、当時の内務省の調停で両鉄道の乗り入れが開始されることになり、同年9月に東京地下鉄道側の新橋駅に東京高速鉄道が接続されることになった。これにより東京高速鉄道の新橋駅は閉鎖され、幻のホームとなった、とのことだ。

当時の新橋駅
当時の東京高速鉄道の新橋駅(今回のイベント会場内掲示のパネルより)。今回公開された幻のホームのかつての姿だ現在の同じホーム。柱に取り付けてあった駅名標などはすべて外してしまったとのことだ
幻のホーム 幻のホーム
今回特別公開された幻のホームは、東京高速鉄道が昭和14年1月から9月までのわずか8か月間のみ使用していたものだ
幻のホーム 幻のホーム
幻のホームの一部は改造され、駅の会議室として使われている。そのため会議室がある部分のホームは非常に狭くなっている現在の銀座線は6両編成だが、幻のホームが使用されていた当時は2両編成だったため、ホームも2両分しかない
ラッピング車両 当時の1000系車両
幻のホームに停まっているのは、銀座線旧型車両を模した01系ラッピング車両。このラッピング車輌は12月2日より銀座線で運転を開始するちなみにこれが当時走っていた1000系車両。葛西の地下鉄博物館に行けば今でも実際に見ることができる

 ちなみに、幻のホームがあるのは地下1階。改札口や券売機があるフロアと同じだ。現在使われているホームは地下2階にあるので、幻のホームは現在の本線より1フロア高い位置にあることになる。そのため、幻のホームへ至る線路は非常に急勾配となっているのだ。

勾配 ホームから営業線を望む
勾配を現す標識。現在営業中の銀座線の本線から幻のホームまでは、おおよそ1フロア分の勾配があるトンネル内の蛍光灯の位置から、ホームから先が急激に下っているのが確認できる
車止めホームの先(銀座方面)は行き止まり。現在ここの線路は夜間に車輌二編成の留置線として活用しているとのこと

 なお、このホームだが現在の銀座線新橋駅西新橋改札付近から8番出口の壁の向こうに存在している。今回のような特別公開があれば見ることが出来るのだが、駅員によると次の公開は未定だが、おそらく開業90周年などのイベント時になるだろうとのこと。ちょっと気の長い話だが、興味のある方は覚えておくと良いかもしれない。

幻のホームの位置 8番出口そばの扉
幻のホームの位置はここ。ちょうど指先のあたりだ8番出口そばの扉の向こうに幻のホームが存在する

※お詫びと訂正:記事初出時、早川徳次(はやかわのりつぐ)氏は総合家電メーカーのシャープ(株)を創業とありましたが、シャープ株式会社の前身である早川電機工業の創業者は早川徳次(とくじ)氏であり、東京地下鉄道の創業者である早川徳次(のりつぐ)氏とは全くの別人になります。関係各位ならびに読者の方々にご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びし、訂正いたします。

(次ページへ続く)

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