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コンパクトPCをいじくり倒す!! 「Endeavor ST160E」ロードテスト ― 第5回

「Endeavor ST160E」はデュアルSSDよりBDドライブ!

2012年10月25日 11時00分更新

文● 星 紀明 写真●ASCII.jp編集部

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今シリーズ、ロードテストで取り上げるのは、エプソンダイレクトの「Endeavor ST160E」というセパレート型のデスクトップPC。最大の特徴は、そのコンパクトさにある。幅195×奥行き185mm×高さ75mmという極小サイズながら、パフォーマンスも十分に備えた「Endeavor ST160E」をいじくり倒す! 第5回目は、やっぱり光学ドライブがほしいということでBDドライブの搭載だ!第1回第2回第3回第4回はこちら。

SSD RAIDも捨てがたいが、やっぱり光学ドライブが欲しくなる

 前回までの「Endeavor ST160E」のSSD RAID化は、確かに成果が上がったものの、いかんせん見た目が美しくない。それに、光学ドライブが内蔵されていないのは何かと不便で、パッケージソフトのインストールやDVDソフトを観るのに、いちいち外付けドライブを接続しなければならなくなる。「Endeavor ST160E」の場合、2台目のストレージと光学ドライブは排他となるため、光学ドライブを元に戻すならSSD RAIDはあきらめる以外にない。

 ここは現実的な路線で考え直そう。「Endeavor ST160E」は“コンパクトなのに爆速”よりも、“コンパクトだけどデバイスが一通りそろっている”という方が本来の特性を活かせるに違いない。SSDがシングルになっても、やっぱり光学ドライブを内蔵させた方が見た目にも機能的にも道理に合う。あの執着は何だったのかとか、そういう些細なことには拘泥しない。SSD RAIDはやめにした。

まずRAIDメニューでRAIDボリュームを削除
さらにBIOSの「SATA Configuration」を「AHCI」に戻す
改めて見ても、さすがにこれはなかろうと思った。いまは深く反省している

 とはいえ、元の光学ドライブをそのまま筐体に戻すのでは芸がないので、ひねりをきかせたい。エプソンダイレクトの公式サイトで「Endeavor ST160E」のカスタマイズメニューを見ると、DVD-ROMドライブとDVDスーパーマルチドライブはあるが、なぜかBDドライブは選択肢に用意されていない。つまり、BDドライブ内蔵の「Endeavor ST160E」は、欲しくても買えないわけだ。

 いっそのこと、スロットインBDドライブに変えるのはどうだろう。これならトレイが手前に飛び出さず、片手でもディスクの出し入れがスムーズにできる。また、実際に使うかどうかは別にしても、願わくはBDXLの読み書きにも対応させたい。名付けて「Endeavor ST160E BDXL対応スロットインBDドライブ搭載モデル(非売品)」。長ったらしいが、がぜんプレミア感が出てきた。

 そこで今回、換装用に用意したのは、パイオニアからつい先日発売されたばかりの「BDR-TS04/WS」という製品。ノート向けスリムタイプのBDドライブでは数少ないスロットイン方式で、BDXLも4層のBD-R QLまで対応している。BD-R QLメディアなんて店頭で売っているのを見たことがないし、3層のBD-R TLメディアでさえ価格が高くて使うこともまずなさそうだが、コンパクトPCの「Endeavor ST160E」にBDXL対応ドライブが載っているというギャップがまたよい。

今回、換装用に用意したスロットインBDドライブは、パイオニアの「BDR-TS04/WS」というスリムラインSATA対応のバルク品。十和田パイオニア製造ではないのがちょっと残念だが、同社のBDドライブは読み書き精度の高さに信頼が置けるので、個人的にも自作のミニタワーなどにいくつか使っている。しつこいようだがステマではない。これも私物の未使用新品で、またまた持ち出しなのだ

 この「BDR-TS04/WS」を「Endeavor ST160E」に内蔵するのはいたって簡単で、光学ドライブと2.5インチストレージを装着するプレートの表側に4本のネジで側面から固定し、SATAケーブルと電源供給ケーブルを接続したら、あとは筐体内に収納するだけだ。ドライバも初回起動時にWindows Updateから自動的に拾ってくるので、搭載してすぐに使える状態になる。ただし、今回はSSDのRAIDボリュームを削除し、SSD×1台のAHCIに変更したので、OSのリカバリが必要になる。

「BDR-TS04/WS」をプレートに固定し、ケーブルを接続したら「Endeavor ST160E」の中に収める。はっきりいって、ミニタワーなどの5.25インチ光学ドライブを換装するよりもはるかに簡単だった
ケースのカバーを装着して完成。ベゼルの色が合わないが、白と黒のツートンカラーというのもなかなかいい面立ちじゃないの
意味もなくBDディスクを挿入してみる。家庭用ゲーム機かAV機器のようで、なんかかっこいい!

BD再生ソフトが必要に

 「Endeavor ST160E」の光学ドライブをBD対応のものに変更する場合、注意しておきたいのはBD再生ソフトなどが別に必要になることだ。注文時カスタマイズでDVDスーパーマルチドライブなどを選択の上で購入した「Endeavor ST160E」には、「WinDVD for EPSON」がバンドルされるが、これではDVDしか再生できない。今回の「BDR-TS04/WS」には、BD再生にも対応する「PowerDVD 10」などのソフトが付属しているので、それをインストールしたが、ソフトなしのバルクドライブを購入した場合はBD再生ソフトなどを別途用意しなければならない。くれぐれもエプソンダイレクトに「BDドライブに換装したからソフトちょうだい」などとはいわないように。

今回は「BDR-TS04/WS」に付属しているディスクから「PowerDVD 10」などをインストール。初回起動時にリージョンコードを「A」に設定する

 かくして「Endeavor ST160E」は、BD鑑賞もできるコンパクトなAVパソコンに生まれ変わった。これなら大画面の液晶テレビとつないで、リビングPC風に使うのもよさそうだ。そういえば、大手メーカーがひと頃、盛んにプッシュしていた“リビングPC”はどこに行ってしまったのだろう。某社の「Lui」とか、某社の「TEO」とか、某社の「TP1」とか。

 それはさておき、「Endeavor ST160E」を液晶テレビにつないでBDソフトなどを楽しもうと思うと、HDMI出力がない点がネックになる。DVI-DとHDMIの変換アダプターを介してテレビと接続すれば映像は出せるが、音声が出ない

 ディスクリートグラフィックスを採用したデスクトップの場合、DVI-DからHDMIに変換すれば音声が一緒に出力できるものもあるが、インテルHDグラフィックスの「Endeavor ST160E」ではそれができなかった。このため、アナログ音声出力からケーブルを別途取り回さなければならない。

 デジタル出力でサラウンド音声まで楽しめればいうことなしだったが、あと一歩及ばず。惜しい。それでも、PC用ディスプレイとつないで、アナログのステレオ音声でもいいから手軽にBDを楽しみたいということであれば、「Endeavor ST160E」のBDドライブ換装は有用だ。

実はシングルSSDでもパフォーマンスは十分だった

 今回のBDドライブ換装に伴って、SSDをRAID 0構成からシングルに変更したわけだが、それによってパフォーマンスがどの程度違うのかも念のためチェックしておいた。メモリは、第2回で換装した16GB(8GB×2)がそのまま搭載されている。

 まず、OSの起動や終了時間を計ってみると、起動が20秒、終了が5秒で、SSD RAIDの場合とまったく同じだった。「CrystrakDiskMark 3.0.1c」で計測した読み書き速度は、さすがにSSD RAID運用時よりも大幅に下がっているが、それでもシーケンシャルリードで440MB/s以上は出ている。さらには、Windowsエクスペリエンスインデックスのスコアもまったく同じで、「プライマリハードディスク」のサブスコアもSSD RAIDの場合と変わらずの「7.9」だった。

SSD RAID時には900MB/sを超えていたシーケンシャルリードが441.1MB/sまで下がったものの、OSの起動・終了時間には影響せず、体感上のレスポンスも変わらなかった
Windowsエクスペリエンスインデックスの各サブスコアも、SSD RAIDの場合とまったく同じという結果に

 どうやら、「Endeavor ST160E」にSSD RAIDは過大だったらしい。シングルSSDでも実用上、十分なパフォーマンスが出る。ひょっとしたら、エプソンダイレクトはそれをわかっていて、「Endeavor ST160E」のRAIDキットにSSD×2台のRAID 0構成を用意しなかったのか。なんだろう、この徒労感。初めからこうすればよかった。

 さて、メモリは最大限の16GBに増強し、ストレージもRAIDは断念したもののSSDに換装して高速化し、光学ドライブをスロットインBDドライブに置き換えたので、ハードウェア面で手を入れられそうなところはあらかたやり尽くした。これにて「Endeavor ST160E」のロードテストは終幕とするつもりだったが、何かやり残したことがあるような気がする。それに、メーカー製品をここまで好き勝手に弄くれる機会などそうそうないので、ここで手放すのはちょっと惜しい。目算があるわけでもないのに、「違う切り口でまだパフォーマンスアップを狙えると思う」と編集部に伝えたら、あっさりOKが出たので、続けることにした。



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