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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第92回

金髪ギャル語でニュートリノ、Shoさまが熱い!

2011年04月27日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta) 写真● 住川奈津

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副業でも大きな目標はある

―― では、今後の目標を教えてください。

多田 ネット活動の目標はまったくありません。本職も、里奈様がご活躍していただけるようになれば僕が言うことは何もないです(笑)。

 研究者としては、今やっている実験を成功させるのがひとつの目標です。できれば、将来的にそういう実験や組織をオーガナイズする立場になりたいと思いますよね。今は下っ端だから、思い描いてもなかなか思うように動いてもらえないというのがあるじゃないですか。……まあ、基本行き当たりばったりの人生なので、どうなるか分かりませんけどね。


―― ちなみに、現在の世論は放射線に対して向かい風になっていると思います。お仕事にも影響はありますか?

多田 放射線以上に、僕らの研究は1~2年で役立つものではないので、間違いなく予算は削られるでしょうね。今はすぐに必要なことに税金を使わないといけないですから、この流れは普通に正しいことだと思います。

 それに研究施設はむちゃくちゃ電気を食うので、そんな早期に元通りの状況には戻れないでしょう。今までだって夏場は実験装置を止めていたくらいですから。メシの種がなくなるのはアレですけど、そういう流れになるのはまあ当然じゃないかなと。


―― その上で組織のトップを目指しながら、どんなことをされるんでしょう?

多田 いろいろありますが、広報的なことで言えば、やっぱりもっと素粒子のことを皆さんに知ってもらえるようにしたいとは思いますね。

 学者というのは、自分の研究を分かりやすく伝えるのが非常に苦手という人がやっぱり多いんです。簡単に言うと、「高尚なことやってるぜ」という感じで高飛車な人。それでよしとしているから「あいつら何やってんの? 素粒子? よくわかんない……」みたいな世界になっちゃうんですよ。


―― 仕事の面白さを人に伝えるのも大事なことですよね。

多田 そう思います。実際、今回事故が起こったから関連して興味を持ってくれた人がいてくれたけど、普段は素粒子のことをmixiで書いたところで誰の興味もひかない。一人で何か書いたところで大きくは変えられないけど、組織で意識を変えれば違った世界になると思うんですよ。

 だいたいこんな金髪でも働けるわけですし、そんな構えることもないと思うんですよ、素粒子物理学って。

原発問題については「どれだけ説明しても理解してくれない人は確かにいますが、本当に不安に思っている人がいたら少しでも和らげてあげないといけないと思います」と語っていた



古田雄介

筆者紹介──古田雄介


 元建設現場監督&元葬儀業者&現古銭マニア&毎週仕事で秋葉原と都内量販店に足繁く通う毎日を送る現デジタルライター。「古田雄介のブログ」ではみなさんのお勧めサイトを募集中です。ツイッターIDは@yskfuruta




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