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池田信夫の「サイバーリバタリアン」 ― 第67回

「エコポイント」はエコには逆効果

2009年05月20日 12時00分更新

文● 池田信夫/経済学者

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大量の廃棄物を作り出す「浪費の補助金」

 エネルギー節約型の家電製品に「エコポイント」を付与する制度が、今月15日から始まった。これはエアコン、冷蔵庫、地デジ対応テレビを買ったとき、政府がポイントを与え、後日それを何かに交換する制度だ。

統一省エネラベル エコポイントが付与される基準となる統一省エネエコラベル。地デジ対応テレビの場合、☆4つ以上が対象となるが、実際にはほとんどのテレビが☆4つ以上を獲得している

 まず奇妙なのは、このポイントが何に交換されるか決まっていないことだ。交換する対象は7月から申請を受け付けるが、現金化はできないという。いかにもバタバタと編成された補正予算らしい場当たり的な制度だ。エコポイントと交換できる商品は、政府が消費者に代わって代金を支払うので、これは巨額の補助金になる。

 そもそも、このエコポイントはエコになるのだろうか。環境省のページをみると、たとえば冷蔵庫では501リットル以上は10000点(1万円)だが、250リットル以下は3000円だ。電気店ではエコポイント製品の売り上げが伸び、特に大型の機種がよく売れているという。

 しかし、いくら省エネ型だといっても、同じタイプの冷蔵庫なら大型のほうが間違いなく電気を食う。それにまだ使える冷蔵庫を廃棄したら大型の廃棄物が出るし、新しい冷蔵庫の生産でもCO2が排出される。おまけに、このポイントは景気対策という位置づけで単年度かぎりだから、必要のない駆け込み需要を誘発し、無駄な廃棄物を増やすだろう。こうした浪費の効果が省エネ効果を上回ることは明らかだ。

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