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寝耳に水! Ustream, Incへのサービス移行

Ustream Asiaがアジアから撤退、国内向けサービスはどうなる?

2015年12月01日 17時01分更新

文● 三上 洋(ITジャーナリスト)

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12月1日15時に「Ustream Asiaの業務をUstream, Incに移行する」との発表が行われた

寝耳に水! Ustream Asiaがアジアから撤退。国内Ustreamサービスはどうなる?

 ネットライブ動画の雄、Ustream(ユーストリーム)の日本法人・Ustream Asiaが撤退する見込みとなりました。

 発表があったのは12月1日の15時のこと。Ustreamユーザーあてのメールと、自社ウェブサイトで以下のように発表されている。

==以下引用===

 2010年5月よりUstream Asiaが日本・韓国を含むアジア地域においてサービス運営を行ってまいりましたライブ映像配信サービス「Ustream」は、商品体系を全世界で統一するため2016年2月1日から米国Ustream, Incによる直接運営に移管することになりました。

 現在、アドフリープラス、プレミアムメンバー、無料プランでご利用いただいているお客さまにおかれましては、2016年2月1日以降もこれまで通りにサービスをご利用いただくことができるよう準備中です。また、Ustream Bizプランおよび請求書払いのアドフリープラスをご利用のお客さまには別途担当者がご案内いたします。

(中略)

  1. 移管先:米国Ustream, Inc
  2. 移管日:2016年2月1日より、米国Ustream, Incで運営開始

==引用ここまで==

 日本と韓国を含むアジア地域を運営してきたUstream Asiaでのサービスが、本国アメリカのUstream, Incに移行されることになった、というメールです。今まで日本のUstreamは、アメリカでのUstreamのサービス利用しながらも、有料サービス・トップページ・ソーシャルメディアとの連携など、独自サービスをプラスして提供されてきました。これがなくなり、アメリカのUstream, Incに統一されることになります。

 Ustreamのサービスそのものは、今後も日本から利用できます。しかし事実上は「日本からのUstream撤退」と考えてもいいでしょう。

ソフトバンク広報は「Ustream Asiaがなくなるかどうかはわからない」「出資比率は変わらない」

Ustream Asia社長の中川具隆氏。2010年のもので当時は「Ustreamで世界を変えるメディアになる」と述べていた

 これについてソフトバンク広報に問い合わせたところ、以下のようにコメントを得ました(12月1日15時30分)。

 「Ustream Asiaがなくなるかどうかは、まだわからない。Ustream, Incへのサービス移行になるのでお客様宛てにメールでお伝えした。今のところプレスリリースを出す予定はない。」

 日本・アジアの法人であるUstream Asiaがなくなるとは発表されておらず、そのためソフトバンクとしてのプレスリリースは出していないとのことです。

 ただしUstream Asiaが行ってきたサービス・業務を本国に移行するということは、Ustream Asiaでの業務がなくなることになります。最終的にはUstream Asiaはなくなり、日本や韓国での独自サービスはなくなると考えてもいいでしょう。

 ソフトバンクはアメリカのUstream, Incに対して、資本金の20%を出資しています。これについて広報部は「出資比率は変わらない」 としています。

2010年のブームから5年。
スマートフォン対応・日本対応が遅れ、ライバルに先行を許す

 Ustreamの日本法人、Ustream Asiaができたのは2010年5月のこと。ソフトバンク・孫正義社長の肝入りでスタートし、ライブメディア(インターネットでの動画生放送)のブームを作りました。それから5年6ヶ月で、日本法人が撤退することになります。

左から筆者、Ustream Asia社長・中川具隆氏、Ayano*氏。2010年に渋谷のUstreamスタジオオープン時のインタビュー(ライブメディア情報番組・UstToday、Ustreamスタジオ渋谷は2013年になくなっている)

 筆者はUstream上で「UstToday」という情報番組を制作していることもあって、Ustreamの栄枯盛衰を見てきました。2010年の大ブームから、震災でのテレビ同時送信で大きく普及し、「これからはネット動画メディアの時代だ」と思ったものです。

 しかしライバルのサービスが続々と登場し、少しずつ勢いを失ってきたのは事実です。当初からのライバル、ニコニコ動画のニコニコ生放送の人気が高まったこと、スマートフォンではツイキャスことTwitcastingが圧倒的人気を集め、さらに動画メディアの王様・YouTubeがYouTube Liveを始めたことで大規模なライブ・企業配信もYouTubeに後れを取ってしまっています。

 当初はアメリカ・Ustream, Incのサービスを日本向けにカスタマイズして普及を目指していましたが、3年ほど前からサービスの改悪が何度か行われていたのです。

  • 動画広告の途中挿入(2014年頃から)
  • 録画ファイルの1ヵ月保存制限(それまでは無制限、2014年から)
  • チャンネル作成の制限、URL任意選択の廃止(2013年頃から)

 など、便利で使いやすかったサービスが、徐々に廃止されています。これでは日本でのUstreamは利用者が減るばかりだろうと危惧してきました。

 しかしUstream Asia自体がなくなるとは、寝耳に水でした。孫社長の肝いりで始まったこともあって、そう簡単にサービスをやめることはないと考えていたからです。

 Ustream自体が今すぐなくなるわけではなく、日本からでもUstreamの利用は続けることが可能です。しかしながら日本での独自サービスがなくなることで、今後は国内の利用が少なくなることは確かでしょう。とても残念であると同時に、自分が関わっているUstreamの情報番組をどうするか、途方に暮れている状態です。

 Ustream Asiaがどうなるのか、今後のサービスはどのように変化するかは、詳しい発表を待って続報します。

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