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「ライブ配信メディア完全解剖 〜過去と今、そして未来へ〜」第4回

ライブ配信で「その場に行ってみたい」と思わせるワザ

2016年09月01日 17時00分更新

文● ノダタケオ(Twitter:@noda

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 近年、ライブ配信メディアを通じ、(まるでテレビのような)ネット独自に制作されるのさまざまな番組(配信)を見ることができるようになりました。芸能人や著名人が出演する番組、もしくは、アーティストが自身の番組をつくっています。「尺」という時間的なものや、いろんな制約を超え、新しい情報発信(プロモーション)手段として、ライブ配信メディアが活用されるのは本当に当たり前のことになりました。

 しかし、ちょっと前(5~6年ぐらい前)までは、テレビで活躍する人たちをライブ配信メディアで目にすることができる自体が非常に稀なことで、そんな人達がインターネット越しに、しかも、パソコンの前の視聴者の目の前にリアルタイムで現れるということだけでも非常にドキドキワクワクしたものでした。

 自身が特に忘れられない出来事として挙げられるのは、2010年12月8日に横浜アリーナで行なわれた宇多田ヒカルさんのコンサート「WILD LIFE」公演

 当時、超ビッグアーティストがライブ配信メディアを通じて、音楽ライブを生配信することだけでも大きな出来事だったのですが(さまざまな権利関係的な意味でも)、宇多田ヒカルさんが(その当時)年内で活動を一時休止する直前のライブであったこと、2日間あわせ2万8000人を動員したもののチケットはすでに即完売となったことから、当日の公演をUstreamで見守ったヒトは最大10万同時接続、ユニーク視聴者数は34万5000人を数えました。

 あの時の興奮は、ライブ配信メディアのこれから(未来)に期待をし、その魅力を感じたことの影響によって、いまの自分があるきっかけにもなった出来事でもあったように感じています。

イベントやセミナーでライブ配信メディアを活用する意義・効果、その理由

 ところで、音楽ライブなどをはじめとした「リアルな集客を伴うイベント」では収容できる人数の限界が必ずあり「キャパシティー」という壁が立ちはだかります。このような物理的な制限は、これ以外にも行きたいけど遠くて行けない「距離」という壁であったり、近いけどスケジュールが合わず行くことができない「タイミング」という理論的なものもあります。

 これは冒頭で挙げたようなものすごい大きなイベントに限らず、数十人規模の小さなイベントであっても、これらの壁が存在します。

 イベントやセミナーでライブ配信メディアを活用したときの意義・効果は3つあると考えます。

イベントやセミナーでライブ配信を利活用する主な目的は大きく3つ。

 まずひとつ目は「集客するためのハコが不要(もしくは小さくて済む)」であるということ。たくさんの人を収容しようとするにはそれなりの大きさのハコも必要になりますし、それなりに費用も発生します。また、本当に当日来るかどうかわからないという「ドタキャン」のリスクも追わなければなりません。

 こういったリスクをなるべく小さくする目的で、セミナーなどでは「ウェビナー(ウェブセミナー)」という手段を使って、リアルの場所には誰も人がいないけれども、参加者は全員ライブ配信メディアを通じて参加する、というカタチが事例として増えてきています。

 2つ目は「キャパシティーの壁」で定員で入れなかった人も、「距離の壁」でその場へ遠くて行けなかった人も、「タイミング」の壁で都合がつかなかった人も「その場にいったのと同様の体験」を与えることが可能であるということ。

 そして、最後の3つ目は画面越しでなくいつか「その場に行きたい」という集客の効果です。イベントやセミナーをライブ配信することによって、参加する人が減ってしまうのではないか? と懸念されるケースが経験上多く出てくるのですが、その懸念に対する影響は非常に軽微です。イベントやセミナーの特性によりますが、特に定期的に開催されているイベントやセミナーは「次はリアルにその場へ訪れてみたい」という効果を生み出すケースが多くあります。それがメジャーなイベントであればより大きな効果が生まれます。

 イベント・セミナー以外にも、企業がリクルーティングするための会社説明会も同様のことがいえます。特に大都市圏を中心に行われる会社説明会はその地域以外から参加するハードルが非常に高いことがあります。その説明会に参加したい求職者の参加するためのコスト(特に交通費や宿泊費であったり)のハードルをライブ配信メディアを活用することによって下げるとともに、逆に、さまざまな地域へ赴かなくてはならない人事担当者のためのコストも下げることにも活用していけるのではないでしょうか。

 既にそういったサービスは求人サイトなどをはじめ活用されているところですが、そういった事例ももっと増えていくことに期待をしています。

集客効果を生み出すために気をつけるべきこと

数十人規模のセミナーにおけるライブ配信の様子。キャパシティーに制限がある会場であっても、ライブ配信メディアを通じて、リアルタイムに「距離」や「タイミング」の壁を超え、その場へ行くことができないヒトの代わりの「目」としてライブ配信メディアが活用する

 イベントやセミナーでライブ配信メディアを活用するということは「距離の壁」「タイミングの壁」を超え、いつか「その場に行きたい」という集客の効果を生み出すことができます。ただし、その上で注意をしなければならないことがあります。

1、ただその場の様子を流すだけではダメ!「視聴者同士の共感や画面の向こうとのやりとりを得られる仕組みづくりが必要」

 実は、リアルに参加してると楽しいイベントやセミナーでも、ライブ配信メディアを通じて画面越しに見ていると、単調な感じで楽しくないのです。その場の雰囲気が画面越しに伝わりにくいのもあるでしょう。

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