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痛車でラリー! メロンブックスインテ2年目の挑戦 第5回

九州は宮崎でメロン号、ついにグラベル完走!

2011年06月20日 22時46分更新

文● 中村信博、写真● 中島正義、うえのふみお

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眞貝選手「明けて2日目、トップ争いを展開していた香川選手がマシントラブルを起こしたり、その様子を見た上位陣が少しだけ気を抜いたり(?)で、初めてのセカンドベストタイム(2輪駆動ではベストタイム)を取ったのがこのSSでした。決して無理をしているわけではないし、ジャンクションでは大失敗して一時停止! をかましたりでしたが、路面の状況が安定してきて、恐怖心なく走れたことが要因かな? と思っています」

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS8/珍神リバースI
(6.77km)
7:32.0(+8.9)32:42.3(+2:23.5)
SS9/山神上I
(13.28km)
12:44.8(+13.5)47:24.4(+2:37.0)
SS10/珍神リバースII
(6.77km)
7:21.6(+5.2)50:20.7(+2:40.1)
SS11/山神上II
(13.28km)
12:36.6(+8.7)1:44:59.4(+2:48.8)

 今回のイベントではSS速報がネットで流されておらず、各SSの結果はヘッドクオーターにあるスクリーンに表示されているのみ。したがってクルー側では正確なタイム差を把握できないため、こちらからクルーにタイムを伝えなければならない。

 牟田サトリアとの5位争いは、予想通り僅差の死闘となっていた。デイ2スタートの段階で34.1秒あったその差は、エンジンが復活なったメロン号の激走により、最終SS11を前に11.8秒となっていたのである。SS11と同じステージを走行したSS9では、メロン号のほうが12.3秒タイムが上回っており、このままの展開で行くなら牟田サトリアを約2秒差で逆転できる!

ヘッドクオーターの体育館に設けられた、SS速報の掲示スクリーン。多くのチーム関係者が、その勝負の行方を注意深く見守っていた

 そして、デイポイントをめぐる戦いも白熱していた。デイ2を3番手で走行している山口清司選手/高橋 巧選手組レビンとは、SS8こそメロン号が3.3秒上回ったものの、その後のSS9、10を山口レビンが獲って、その差は7.3秒。この結果をメロン号コドライバーの田中選手に投げてみると、「こりゃ無理ですね、たぶん届かないと思います」との答えが返ってきた。

 おそらく山口レビンは、SS8が終わったあとでデイポイントを狙ったメロン号の追い上げに気付き、スパートをかけたのだろう。残るSS11の13.28kmのステージなら何とか届くタイム差といえるが、向こうも全開で攻めている手前、それを叶えるには相当な無理をしなければならない。

 「メロン号は現状維持。完走を最優先に、安全策で最終SSを走ること」筆者はメロン号の2人のクルーに指示を出した。グラベル初完走が目前にせまっているこの段階で、さらなるリスクを負うのは得策ではない。デイポイントを取れないのは惜しいが、それよりも“グラベル未完走”のジンクスを破っておいたほうが、チームとしても気分を軽くして後半戦を迎えることができるだろう。

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