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COMPUTEX TAIPEI 2011レポ 第4回

「Ultrabook」で新しいノートを作り出すインテル

2011年06月01日 00時52分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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 台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2011」の初日である31日には、インテル主席副社長のショーン・マローニ氏や、PCクライアント事業本部長のムーリー・エデン氏による講演が行なわれ、インテルの新CPUや新技術、そして同社が今後注力するノートパソコンの新カテゴリー「Ultrabook」といった、多くの話題が取り上げられた。

インテル主席副社長兼インテル・アーキテクチャー事業本部長のショーン・マローニ氏

副社長兼PCクライアント事業本部長のムーリー・エデン氏

 ここでは盛りだくさんだった講演の中から、特に重要なポイントをご紹介しよう。

次世代CPU「Ivy Bridge」の動作デモが披露!

 現行世代の第2世代Coreプロセッサー(Sandy Bridge)の後継CPUとして、インテルが現在開発中のCPU「Ivy Bridge」は、新しい半導体技術である「三次元トライゲート・トランジスター」を採用する最初の量産プロセッサーになるとされている。

 マローニ氏は基調講演の中で、物体を縮小する装置で自分がトランジスターサイズへと小さくなって、トライゲート・トランジスターについて説明するという寸劇を交えて、新技術の効果について説明した。トライゲート・トランジスターの詳細については、こちらの解説記事を参照していただきたいが、基本的には非常に微細なトランジスターでも消費電力の無駄(漏れ電流)を少なくでき、高速でも省電力なCPUが作れる利点を持つ技術だ。

ステージ上に設置されたおかしな機械にマローニ氏が押し込まれると、いかにもなスモークが吹き出す。22nmプロセスのトランジスターサイズに縮小されてしまったマローニ氏は、トライゲート・トランジスターについて説明する。ちなみに最後に元のサイズに戻そうとするときは、一旦失敗するという“いかにも”なオチも用意されていた

トライゲート・トランジスター完成までの、インテル半導体技術の足跡

22nmプロセスのトライゲート・トランジスターでは、低電圧動作でも37%の処理能力向上が見込めるほか、動作時の消費電力を半減できる

 次世代の主力CPUとなるIvy Bridgeについては以前から公表されていたが、今回エデン氏の講演では、世界で初めてIvy Bridgeを搭載するノートパソコン試作機の実動デモが披露された。

Ivy Bridgeのダイを披露するエデン氏

Ivy Bridgeの動作デモ機。内蔵GPUでゲームの動作も披露して、GPU性能の向上も示した

 Ivy Bridge世代のパソコンでは、処理性能の向上だけでなくセキュリティーの強化や消費電力低減のための新しい仕組み、そしてUSB 3.0の搭載やMacBook Proで採用された新しいインターフェース技術「Thunderbolt」への対応も実現されるという。

 ただしエデン氏によれば、Thunderboltのチップセットへの内蔵は製品コストの上昇につながるため、Ivy Bridgeと同タイミングでは実施されないようだ。当面は「MacBook Pro」と同様に、別チップのオンボード搭載という実装形態になる。

Ivy Bridge世代のパソコンで実現されるもの。高性能はもちろんだが、バッテリー駆動時間の延長や「応答性」の向上、USB 3.0やThunderboltへの対応も実現。個人認証や暗号化、マルウェアからの保護も強化されるという

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