テンプレート ギャラリーが大幅強化
いわゆる”文書のひな型”を選択できる「テンプレート ギャラリー」も強化されている。これまでのプロジェクトギャラリーは廃止され、Word/Excel/PowerPointそれぞれから呼び出される形で、テンプレートギャラリーが表示されるようになった。
強化項目の筆頭に挙げられるのは、「オンラインテンプレート」への対応だろう。マイクロソフトのサイトに直接アクセスし、Word文書ならば名刺やカレンダー、Excelブックならば経費明細書や予算といった項目を目印に希望のテンプレートを入手できる。ウィンドウ右上部のサーチバーは、ローカルとオンライン両方を検索対象とするため、テンプレートをダウンロードしてから書庫を展開して……といった作業は必要なくなった。
フォトレタッチにも応用できる画像編集機能
何かと必要な場面の多い画像編集機能も強化されている。文書に貼り付けた画像に対し、画像のトリミングや回転など変形を加える機能のほか、透明度や明るさ/コントラストの調整、色の変更といった処理がリボンから実行可能になったのだ。なお、画像編集機能はWord/Excel/PowerPoint共通で、新登場のOutlookについては見送られた。
フォトレタッチ的な機能も追加されている。モザイクやパッチワーク、ぼかしといったアート効果を適用するフィルター機能や、画像のppi値を調整してファイルサイズを小さくする圧縮機能、背景削除機能などがそれだ。専用の画像編集ソフトほど多機能ではないにせよ、これまで画像編集ソフトを起動して加工を加え、いったん保存したものを文書に貼り付けるという煩雑な手続きが短縮されることは確かだろう。
VBAが復活!
Intelプラットフォームへの対応に伴い、移植が困難ということで見送られていたマクロ(Visual Basic for Applications、VBA)が復活した。マクロの記録/再生機能はもちろん、VBエディタも装備され、VBAアプリケーション開発にも利用できる。Windows版との互換性も、Office 2004 for Mac当時より向上しているとのこと。Office 2008 for Macではマクロ無効の状態で利用せざるを得なかったOffice文書も、ようやくWindowsと同等の環境で作業できるようになったといえる。
なお、Office for Mac 2004のとき標準装備されていたVBA関連機能が復活するわけではない。回帰やヒストグラムといった分析ツールは、AnalySoftの製品「StatPlus:mac LE」として提供される。ソルバーは、Frontline Systemsのフリーウェアで代替される。どちらもフリー版が用意されるが、日本語化については未対応だ。