「ぼくのエクスカリバー」でボーイズラブのオビに衝撃を受ける
―― ちなみに、ボーイズラブ系に興味を持ったのは何故なんですか?
山田井 2005年の秋くらいに、ネットでボーイズラブ本の帯画像を拾ったのがきっかけです。今でも個人的にナンバーワンの衝撃度なんですけど、そのなかに「そう……。そのまま飲み込んで。ぼくのエクスカリバー……」という名言があったんですよ(笑)。そういうのをまとめて紹介したらすごい反響があって、調子に乗って自分でもそういうのがいっぱい揃っている書店に行ってネタ探しするようになりました。さすがにそういうコーナーは入りづらいですけど。
―― では、ボーイズラブ本にハマっていたというわけではないんですね。
山田井 それまではボーイズラブの世界は本当に知らなかったんですよ。でも、昔から古い少女漫画は好きで読んでいたので、あまり抵抗はありませんでした。そういう状態で帯に出会ったのが良かったんでしょうね。自分でもボーイズラブに対して何か感情を持っていたら、下手な知識があるばかりに客観的な楽しみ方は出来なかったと思います。
だから今でもボーイズラブの深い内容についてはよく知らないんです。ぼくは部外者の立場で、帯についてだけ、もしくはあらすじに軽く触れる程度に面白おかしく語るというスタンスなんですよ。ぼくみたいのが、ちょっと知識をつけたからといって「ボーイズラブとはこうだ」みたいな知った風なことを言いはじめたら、それはこの世界が好きな女性に対して失礼なことだと思うんです。今みたいな立場だから受け入れてもらえているというところがあるので、このバランスは崩さないようにしていますね。
―― なるほど。批判的なコメントなどは極力抑えるようにコントロールしている感じですかね。
山田井 それはどうでしょう。2ちゃんねるなどで何か言われているとは思います。でも、精神衛生上、そういうのはあまり見ないようにしているんですよ。そういう場で書かれる悪口というのは、ぼくらがテレビを見ているとき芸能人に対して遠慮なくものを言ったりするのと同じかなと思うんです。ぼくに向けての抗議とかではなく。なので、目にしてもあまり気にしないようにはしています。
ただ、メールで直接クレームが届くこともたまにあって、そういうときは基本的に謝りますね。理不尽な内容でも、少なくとも不愉快にさせたんだなっていうところで「ごめんなさい」と言おうかなという。
武田 あー、ぼくもけっこうナイーブなんで分かります。でも、つい自分の名前を検索しちゃうんですよ、これがまた(笑)。
―― 私は悪口含めて、何か書かれていると嬉しい質ですね(笑)。そういう批判に触れると「もう辞めようかな」となりませんか?
武田 やっぱり書くのは好きなので、ならないですね。たまにショックを受けますけど、ぼくの場合は時間が経てば忘れるというパターンですし。
山田井 それに、注目されて良かったことも多いですからね。応援のメールもいただきますし、ぼくのサイトをずっと読んでくれている編集者の方から「書いてみませんか?」と連絡をいただいたりするのは、本当にありがたいです。
武田 そうやってつながっていくのは、本当嬉しいですよね。
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