意外と難しい膝猫の撮影
膝猫はあまりに可愛いのでぜひ撮りたいのだが、自分の膝に乗った猫を自分で撮 るのは難しい。距離が近すぎるので腕を伸ばして「自分撮り」しなきゃいけないからだ。 もし、液晶ディスプレーが回転する「自分撮り」が可能なデジカメじゃないときは……勘で撮る。カメラを自分に向けて腕を伸ばし、だいたいこの辺かなって方向で撮る。カメラをぎゅっと握って、親指でシャッターを押す感じ。
レンズが広角だとなおいい。膝と猫と両方をいい感じで撮れるからね。撮っては再生し、うまくいかなかったらちょっとずつずらしたりして撮る。暗いときはぶれやすいのでフラッシュを焚いたり、オフにしたり、ISO感度を上げたりと、工夫しながら撮る。
慣れてくると、けっこう高い確率でちゃんと撮れるようになる。猫にもよるけど、寒い季節になると膝が恋しくなるらしい。やっぱ暖かいからね。もっと寒くなると、服の中に入ってこようとするのである。
服の中は暖かいというのを知っているのだ。可愛いものである。で、今までで一番苦労して撮ったのがコイツ。
自転車で走ってたら猫を見つけたので、そいつを四つんばいになって撮ってたのね。そしたらそのわたしのふくらはぎに別の猫がやってきて乗っかったのだ。「これは撮らねばっ」と、下半身を動かさないよう注意しつつ、上半身を左にぐいとひねり左手で身体をささえ、右手を左に伸ばし、だいたいの方向にカメラを向けて撮ったのである。この写真から、わたしがどんなにマヌケでアクロバティックな姿でこれを撮ったか想像してみてください。いや、想像しないでください、さすがに恥ずかしい姿に違いないから。
筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメのレビューをしている。趣味はネコと自転車で、天気がいい日は自転車で都内を走り回りながら面白いものを見つけては撮影する日々。最近の単行本は『デジカメ撮影の知恵』(宝島社新書)。密かにネコ動画ポッドキャストも更新中。
*次回は10月31日掲載予定
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