6コア/12スレッドの威力が
トランスコードで炸裂
それでは気になるパフォーマンスを見ていこう。評価機構成のスペックについては本稿末尾に記載したが、ほぼ最高のスペックで揃えている。
まずWindows 7のエクスペリエンスインデックスの値を確認してみると、5項目中4項目が、OS側の最高値である「7.9」を記録。最低値でさえ「プロセッサ」の「7.8」という、圧倒的なスコアとなっている。CPUをオーバークロックしたマシンを除けば、SSD RAID構成のPro7500よりも速いパソコンはほとんどないだろう。
次に定番の総合ベンチマークテストである、「PCMark Vantage」(32bitテストで計測)と「PCMark 7」の性能を計測した。比較対象として、Sandy Bridge-Eの前世代に当たる「Core i7-940」(4コア 2.93GHz、メモリー12GB、GeForce GTX 580)搭載パソコンとの性能を比較してみた。CPUの世代(Bloomfield)的に、Pro7000が発売された当時の搭載CPUを想定している。
結果は上掲のグラフのとおり、すべての項目で圧倒的な差をつけている。ただしPCMark系のベンチマークテストはストレージ性能に左右される面が大きい(特にPCMark 7)ので、このスコアはCPUやGPUの性能以上に、SSD RAIDによる効果が高いと思われる。実際に細かいスコアを比較してみると、ストレージ性能による差が大きく、CPUの性能差は見えにくい。
CPU性能差が如実に出るテストとして、ペガシスのビデオ編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 5」によるエンコードテストも実施してみた。AVCHD(1080p)の動画ファイル(約450MB)を、同解像度のWMV形式に変換する時間を計測(フィルタリング未使用、エンコード設定はデフォルト値)してみた。また比較対象として、同じSandy Bridge世代の「Core i7-2620M」(2コア 2.70GHz、メモリー8GB)搭載のノートパソコンでも計測している。
こちらはCPUコアの世代よりも、コア数や動作周波数の差が如実に出る結果となった。Core i7-2620Mは、現在販売されている一般的なノートパソコンのCPUよりも速い。それと比べて約2.7倍も高速で、Pro7000世代と比べても1.5倍近く速い。
最後に参考値として、3Dグラフィックスベンチマークテストの「3DMark Vantage」(DirectX 10世代)、「3DMark 7」(DirectX 11世代)のスコアも計測してみた。両テストともグラフィックスカードの性能差は大きく出るが、CPUの性能差はそれほど重視されない。
両者ともGPUが同じため、グラフィックス性能差はあまりない※1。しかしCPU性能差がものを言う「CPU」や「Physics」では、大きな差が付いている。3DMark Vantageではコア数差が出た数値のようだが、最新の3DMark 7ではSandy Bridge-Eの性能を生かしきっているのか、2倍近い差となっている。
※1 一部項目でi7-940が上回っているのは、i7-940搭載マシンのグラフィックスカードがオーバークロック動作の製品であるため。
当然の結果といえばそれまでだが、やはりEndeavor Pro7500の性能は圧倒的だ。現状最速のCPUに圧倒的なストレージ性能を誇るSSD RAIDが加わると、ここまで速いのかと感嘆する。Windowsの起動や終了も速く、これだけ速ければ「スリープ」設定を使う必要はないと感じたほどだ。
エプソンダイレクト製品の最上位に君臨するだけに、Endeavor Pro7500の性能は圧倒的だ。試用機構成では約45万円程度と高額ではあるが、それにふさわしい性能とデザインを兼ね備えたパソコンでもある。ユーザーを満足させてくれるのは間違いない製品であろう。
Endeavor Pro7500(試用機)の主な仕様 | |
---|---|
CPU | Core i7-3960X(3.30GHz) |
メモリー | 16GB |
グラフィックス | GeForce GTX 580 |
ストレージ | SSD 240GB(120GB×2、RAID 0) |
インターフェース | USB 3.0×4 USB 2.0×6、光デジタルオーディオ出力、PS/2 キーボード、10/100/1000BASE-T LANなど |
サイズ | 幅209×奥行き490×高さ498mm |
質量 | 約13.2kg(基本構成時) |
OS | Windows 7 Professional SP1 64bit版 |
価格 | 約45万円 (基本構成価格 21万4620円から) |
受注開始日 | 12月下旬 |
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