左側面のパネルは、背面の手回し式ネジを外すだけで簡単に取り外せる。内部は広く、長さ300mm近いウルトラハイエンドのグラフィックスカードでも装着できる余裕がある(カード長312mmまで対応)。ただし、電源ケーブルをマザーボード裏の本体右側面側に回して内部に安定したエアフローを実現する構造にはなっていないので、その点だけは市販のハイエンドケースに比べてやや見劣りする。
電源ユニットは下側に取り付けられるハイエンドケースでは一般的な配置だ。出力1000Wのパワフルな電源ユニットを標準搭載。Sandy Bridge-Eに加えてハイエンドグラフィックスカードの2枚差し構成であっても、余裕のある電力供給を実現できる。
マザーボードに目を向けると、縦配置のファンを両側からヒートシンクで挟んだ巨大なクーラーがまず目に付く。選択可能なCPUは、Sandy Bridge-Eの最上位であるCore i7-3960X(3.3GHz、6コア)と、Core i7-3930K(3.2GHz、6コア)の2種類である。特にオーバークロック用途を重視した製品ではないので、CPUクーラーもそれほどごついものではない。
CPUの左右には2スロットずつのDIMMスロットがあり、装着できるDIMMは4本までとなる。試用機では4GB×4の16GB構成となっていた。メモリーは4~32GBまで搭載可能である。大量のメモリーを使う高解像度RAW画像の現像・編集や、フルHDの動画編集、仮想マシンの活用など、CPU性能とメモリーを要求する用途にも余裕を持って対応できる。なお、チップセットは当然だがIntel X79 Expressを採用する。マザーボードのメーカーは不明だが、ボード上のコネクターに書かれた刻印はFoxconnだった。
試用機に装着されていたグラフィックスカードは、ZOTACのGeForce GTX 580搭載カードで、一般的な2スロット占有タイプ・1.5GBメモリーのカードであった。カードを外して確認すると、マザーボード上にはPCI Express x16サイズのスロットが4本と、PCI Express x1スロット、PCIスロットが1本ずつ用意されている。なおx16サイズのスロットは、CPUから見て最上段と3段目のスロットがx16対応、2段目と4段目のスロットはx8対応となっている。
ちなみに、グラフィックスカード用のPCI Express電源コネクターは、6+2ピンタイプが4本用意されている。そのためGeForce GTX 580のように2本の電源コネクターを使用するカードは2枚まで装着できる。なお、4段目のx8スロットは、装着できるカードの長さが240mmまでに制限されている。これはHDDベイのカバーと干渉するためで、Pro7000の時も同様の制限があった。
注文時に選択可能なグラフィックスカードは以下の6種類。ハイエンドゲーム向けからCAD/CG向け、安価なローエンドカードまで幅広く用意されている。
- ゲーム・3Dグラフィックス向け
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GeForce GTX 580(1.5GB)、Radeon HD 6970(2GB)、Radeon HD 6770(1GB)、
- GeForce GTS 450(1GB)、Radeon HD 6450(512MB)
- CAD/CG向け
- NVIDIA Quadro 2000(1GB)
選択可能なコンポーネントで目を引くのは、やはりストレージ関連だろう。HDDは最大4台まで内蔵可能で(1~2台目はSATA 3.0の6Gbps、3~4台目は3Gbpsまで)、SSDの選択(160GB、インテル製120、250GB)も可能だ。Intel SSD 510の120GBモデル2台をRAID 0構成で注文することも可能である。今回の試用機も、Intel SSD 510のRAID 0構成を採用している。しかし、容量を考えると250GB×2のRAID 0構成も欲しかったように思う。
選択可能なコンポーネントで残念なのは、メモリーカードリーダーの類がないことだ。「USBでつなげばいいだろう?」という意見もあるだろうが、せっかく洗練されたデザインの筐体を採用しているのだから、本体のデザインとマッチしたメモリーカードリーダーを前面に装備できる選択肢が欲しいところ。Pro7000にもメモリーカードリーダーは用意されていなかったのだが、これが改善されなかったのはもったいないと思う。
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