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最新パーツ性能チェック 第116回

PLEXTOR製SSD「PX-M2P」が速度低下しないのは本当か?

2011年10月31日 12時00分更新

文● 藤田 忠

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 続々と登場する読み書き速度400~500MB/sクラスの爆速SSD。OSと各種アプリケーションをインストールしても容量に余裕が残る120GBクラスも2万円前後と値ごろ感の高い価格帯に突入している。そんな、旬なSSDのなかでも、ひときわ気になった製品がPLEXTOR製の最新SSDだ。この「PX-M2P」シリーズを試す機会を得たので、その性能をチェックしていこう。

サーバグレードのMarvell製コントローラーと、TOSHIBA製フラッシュメモリーを採用する、PLEXTORの最新SSD「PX-M2P」シリーズ

一貫したパフォーマンスで長く、安心して使える

 PLEXTOR製「PX-M2P」シリーズは、2010年の12月にSATA3.0(6Gb/s)対応SSDの2製品目として登場した前モデル「PX-M2S」シリーズの後継モデルで、読み書き速度が大幅に向上している。

ラインアップは128GB「PX-128M2P」、256GBの「PX-256M2P」の2モデル。2010年末に登場した「PX-M2S」シリーズの後継モデルになる

アルミ製ケースを採用。NANDフラッシュメモリーなどの熱をケース全体を使って効率良く放熱する

 パフォーマンスや信頼性、安定性に直結するコントローラーとNADAフラッシュメモリーには、前モデルと同じくサーバーグレードのMarvell製コントローラーチップ「88SS9174-BKK2」と誰でも知っている国内メーカーTOSHIBAのNANDフラッシュメモリーを採用するほか、高速なDDR3 256MB(256GBモデルは512MB)のキャッシュを実装している。
 さらに、PLEXTOR独自のパフォーマンス低下や劣化などを自動的に防止する「Instant Restore」機能や一貫した転送速度を維持する「Plextor True Speed Technology」などの長期間安定したパフォーマンスを発揮できる機能を搭載している。

コントローラーチップには、サーバーグレードのMarvell製「88SS9174-BKK2」を採用する

NANDフラッシュメモリーは、信頼性の高いTOSHIBA製のMLCタイプを採用している

PX-M2Pシリーズは大容量キャッシュを搭載。赤囲み部分がキャッシュ用のDDR3メモリーで、128GBモデルは256MB、256GBモデルは512MBを搭載する

製品には2.5→3.5インチ変換アダプターが付属している。2.5インチドライブベイがないPCケースでも、別途アダプターを用意することなく取り付けできるのはありがたい

「PX-M2P」の内部。ケースに付いている白いブロック状の物体は、緩衝材の役割に加えて、NANDフラッシュメモリーの熱をアルミケースに伝える役目も担っている

Marvell製コントローラーチップ側のケースにも、しっかりと熱伝導シートが張られている。通常見えないところだが、手を抜かない作りが良い

PX-M2Pシリーズのキモ!
True Speedで最大読み書き性能を発揮

 PX-M2Pシリーズには、前モデルのPX-M2Sシリーズに備わっていなかった機能も満載。なかでも、直訳すると“真実の速度”になる「True Speed」技術はPX-M2Pシリーズ最大のキーワードで、実際の使用状況で一貫した読み書き速度を実現するために徹底的にこだわった複合技術だ。

Marvell製コントローラー、TOSHIBA製NANDフラッシュメモリー、PLEXTOR独自のファームウェアで構成された「Plextor True Speed Technology」

 高性能かつ安定した読み書きを可能とするMarvell製コントローラーと、フラッシュメモリーを世界に先駆けて開発、製品化した信頼性抜群のTOSHIBA製NANDフラッシュメモリーに、PLEXTOR独自のファームウェアが備える頻繁に読み書きを行なっても速度低下を起こさない機能(Instant Restore)や、読み取りエラーによる性能低下を低減する機能(Bad Block Manage)が加わることで、長期間使用しても最速クラスとなるランダム読み書き速度7万/6万IOPSを維持し続けられるようになっている。

最速ではないが十分高速、快適なSSDだ

 SSD選びのキーポイントのひとつで、最も気になる読み書き時の速度は、128GBモデルの「PX-128M2P」が読み込み500MB/s、書き込み320MB/s。256GBモデルの「PX-256M2P」が読み込み500MB/s、書き込み440MB/sになる。公称値500MB/sオーバーをうたうSSDも登場しているので、“最速”ではないが公称値は十分高速な転送速度になっている。

PX-M2Pシリーズのスペック
型番 PX-256M2P PX-128M2P
容量 256GB 128GB
シーケンシャルリード 500MB/sec(IOPS 7万)
シーケンシャルライト 440MB/sec(IOPS 6万5000) 320MB/sec(IOPS 6万5000)
キャッシュ 512MB 256MB
実売価格 4万5000円前後 2万円前後

 とはいっても、あくまでも公称値。SSDは、ユーザー環境による実測値が違うこともままある。これは、計測ソフトや計測時の設定の違いなのだが、ストレージデバイスの定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark v3.0.1」と「ATTO Disk Benchmark v2.46」で計測してみないと速度については断言できないところなので、さっそく起動ドライブを別に用意したテスト環境にPX-M2Pを接続して、実測してみた。

テスト環境
CPU Intel「Core i7-2600K」(3.4GHz)
マザーボード MSI「Z68A-GD80(G3)」(Intel Z68 Express)
メモリー DDR3-1600 4GB×2枚
ビデオカード CPU内蔵(Intel HD Graphics 3000)
HDD(OS起動用) Seagate Barracuda LP ST2000DL003(SATA3/2TB)
OS Microsift「Windows 7 Ultimate SP1 64bit」

 なお、CrystalDiskMarkにはテスト用データが、「ランダム」、「All 0x00(0 Fill)」、「All 0xFF(1 Fill)」の3種類用意されているので、この3種類すべての計測を実施した。

CrystalDiskMarkのテストデータの変更は、「ファイル」→「テストデータ」から行なえる。初期設定はランダムになっている

 ランダムでの計測時は、圧縮などのSSD内部のデータ処理がしにくいデータパターンで、実使用時に近くなる。逆にAll 0x00(0 Fill)とAll 0xFF(1 Fill)は、単純(シーケンシャル)なデーターパターンで、内部での処理などがしやすくなっている。そのため、公称値をシーケンシャルデータを元に計測するベンチマークソフトの場合、ランダムなテストデータ使用時と結果に差異がでることがあるのだ。先に述べたユーザー環境での公称値と実測値の違いはココで発生している。ちなみに、ATTO Disk Benchmarkはシーケンシャルデータパターンになる。

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