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mSATAモデルも展開? PLEXTORが語るSSDの未来

2012年07月18日 12時00分更新

文● 近江忠

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 ここ数年、安価になり、耐久性も問題ないということで人気が高まっているのがSSDだ。その中でもPLEXTORは性能も高く、手頃な値段ということもあり人気を博している。7日にアキバでも同社の最新モデル「M5S」シリーズの販売が始まったばかりだが、かなりの注目を浴びているようだ。
 この製品の発売直前に同社のマーケティング担当であるMinnieさんが来日した。気になる今後の日本での製品展開などを聞いてみよう。

「M5」シリーズの上位モデルは近日登場?

PLDSのマーケティングマネージャーであるMinnieさん

――まず最初にお尋ねしたいのが製品名についてです。「M3」シリーズがあって次に「M5」シリーズの発表となったわけですが、「M4」シリーズがどこに消えてしまったのか、ということから伺えませんか?

 日本に限らず台湾でも「4」というのがあまり縁起のいい数字ではありませんから……。

――えっ、縁起が悪いうんぬんは本当ですか?(笑)

 ええ、そうなのよ(笑)。縁起の悪いものは嫌だから、「4」を飛ばして「5」に行ったのよ(笑)。それと「M4」という名称の製品は、すでにCrucialの製品として市場に存在します。ですので市場でユーザーが混乱してしまうのではないかと懸念しました。

――ああ、そうですか(笑)。ここで気になるのが「M5S」という名称で製品が登場したということは、過去の名称順として当然上位モデルである「M5 Pro」があるのではないかと期待しているのですが……。

 そうですね。まずミドルモデルの「S」を最初に出しましたが、「M5 Pro」ももうすぐ登場しますよ。ファームウェアが違いますから。Proシリーズはファームウェアをチューニングするのにもうちょっと時間がかかります。

PLEXTORのSSD製品の最新モデル「M5S」。先日アキバでも登場した。HDDと入れ替えると劇的に速度が向上するので、まだ導入していない人はぜひ検討してもらいたい

――価格はどれくらいになるのでしょうか?

 「M5 Pro」は「M3 Pro」と同じくらいになる予定です。まだ確かなことは言えませんが、NAND FLASHの値段は上下しますので、1ヵ月後、NAND FLASHの値段が下がっていれば安い価格で提供できると思います。

――「M3 Pro」シリーズには512GBのシリーズがありますが、「M5」シリーズには1TBのモデルもあったらいいのになぁ、と思っているのですが、どうでしょう?

 1TBの容量を持つ製品の市場はあまり大きくないと考えています。理由は価格です。もし1TBのものを市場に出したとしても、非常に高価なものになってしまうでしょう。市場は低価格のものを求めていますので、512GBまでがいいのではないかと考えています。現在、1TBの製品の出荷は考えていません。

――512GBモデルは現在5万円ぐらいですが、もし1TBを出すとすると2倍の10万円程度になりますよね?

 そうですね、価格はそれくらいになると思います。

――でも、私はそれ欲しいですよ。

 2台のSSDを使って、RAID0で実現できますよ。パフォーマンスは変わりません(笑)。

――PLEXTORというと、私の中ではMarvell製コントローラーと東芝製のNAND FLASHの組み合わせというイメージが非常に強いのですが、「M5S」ではMicronのNAND FLASHを採用するようですね。「M2」シリーズの時には東芝とMicronが混在していましたが、「M5S」シリーズもそうなる可能性はあるのでしょうか?

 現在、「M5S」ではMicronのNAND FLASHを使っているのは確かです。でもそれはその時点でベストのものを選択しているからです。「M2」シリーズは東芝やMicronのチップを使っていますが、東芝は品質が良いからです。一方、Micronのチップは彼らが安くて良い製品を供給してくれるからです。品質的には東芝もMicronも変わらないと考えています。

――品質は同じなんですか? 速度だとMicron、信頼性は東芝という都市伝説があるのですが、そのあたりはどうなんでしょう?

 すべての製品を出す前に、数多くのテストを行ないますが、2つのFLASHはわれわれが要求する基準を満たしています。特に信頼性については問題ありません。ここはわれわれがいちばん気を使っている部分で、この2つは同じと考えています。ちなみにMicronは25nmのプロセスルールのものを使っています。

――「M5S」で東芝のNAND FLASHを使ったものも混在する可能性はどうでしょうか?

 性能が同一になってきたら使いますが、現在のところはMicronでいく予定です。新しい製品を出す前に気をつけている部分は2つあります。まず性能が前のものより良くなっているという点、そして信頼性がわれわれの基準を満たしているかということです。これを前提に製品を試作し、テストをし、市場に出すわけです。

限定販売で話題になっている「NINJA」も同社の製品。話によると特別チューニングの施されたファームがインストールされている。国内販売分は限定数のみで、シリアルナンバー入りとマニアの所有心をくすぐる

――Marvell製以外のコントローラーを搭載したモデルを発売する予定はありますか?

 性能が高く、信頼性の高いというのが前提になりますが、現在はMarvellのコントローラがベストだと思います。ただ将来的にもっとよいコントローラが登場すれば、考え直す余地はあります。

――でも現状、SandForceは考えられませんよね。あと、Samsungも考えられない。残りはIndillinxかなぁと(笑)。

 もしIndillinxがいいものを提供してくれるなら考えられます(笑)。

――最近CorsairやLITEONも、Marvell製コントローラーと東芝製NANDフラッシュを組み合わせたSSDを展開しています。ライバルが増えたように見えますが、なにか次の新しい組み合わせを考えていますか?

 SSDの多くは同じような組み合わせで作られていますね。多くのブランドがMarvellのコントローラーや東芝のNAND FLASHを使っていますが、異なるのはファームウェアです。ファームウェアはSSDにとって重要なキーとなるものです。われわれは開発チームに多くの投資をして、ファームウェアをよりよいものにしようとしています。同じ部材を使っていても異なるファームウェアなら、異なる性能になるのです。

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