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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第91回

「計画断水」知ってる? ネットで日本の昭和を振り返る

2011年04月13日 12時00分更新

文● 古田雄介(@yskfuruta

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「検索ワードはあっても、コンテンツが見つからない」

―― サイトのコンテンツは富沢さんの実体験に基づいたものとのことですが、扱うジャンルも各コーナーの情報量もかなり充実していますね。これだけのモノはどんなふうに保管、または整理してきたんですか?

富沢 子供の頃の私物はほとんど持っていないんです。うちは引っ越しが多かったんですが、そのたびに母から「運べないから、段ボール1箱ぶんしか持っていっちゃダメ」と厳しく言われ、雑誌もおもちゃもそのつど捨てていました。


―― では、大人になってから収集したんですね。

富沢 そうですね。特にサイトを始めてから収集したり、詳しい人にもらったりしたものはかなりあります。


―― おぼろげな記憶を頼りに集めていって、そのたびにタイムトンネルをくぐって、思い出した関連情報をまた探すという感じでしょうか。

富沢 ええ。ただ、子供の頃に好きだったものの記憶は、わりとしっかり頭に叩き込まれているんですよ。

 いま思えば、捨てなくちゃいけないという切なさが、心に傷というか「タグ」のようなものを付けていたのが良かったんでしょうね。「検索ワードだけあって、ページがない」みたいな状態だったからこそ、色んなことが見えてくる。

サイトを訪ねる層は幅広いが、中心は富沢氏の年齢±4歳だとか。「私の持論で、オリンピックが一単位になっていると思うんですよ。やっぱり感性が強い時、小学校とか中学校の時に観たオリンピックがあるじゃないですか。それがその人の思い出を作ってることが多いので、オリンピックが一致すると趣味嗜好が合うことが多いですね」とのことで、“東京オリンピック世代”がドンピシャという


―― すると、新たな情報が得られたときは嬉しいでしょうね。

富沢 本当にそうです。頭の中にあるキーワードで検索して「まさにこれ!」というのが詳しく書かれていると嬉しいですよ。でも、最近はそういう場面が少なくてすごく寂しいですね。ウチのサイトがトップに出ることが増えてきましたから。最初の頃はそれも「ああよかった、うれしいな」と感じていたんですけど。

 自分なりに情報を集めきったという感触があれば別ですが、感覚的にはまだまだなんです。頭の中には、検索したいキーワードがまだたくさん残っている。でも、覚えている言葉自体が間違っていたら、何も見えてこない。

 それがたぶんインターネットの世界なんだなと思います。間違った単語でも、関連付けられるような何かが増えればいいんですけど、簡単には新たな入り口には出会えない状況にはなってきているんだろうと。

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