歴史の重みを感じた、2時間超の試聴取材
LUXMAN試聴室で、ハイレゾと真空管、両極端のサウンドを体験 (5/6)
2011年03月11日 09時00分更新
何と2ヵ月先まで売り切れ状態!
ラックスマンで用意してくれたアナログシステム(真空管グループ)の音の良さにかなり舞い上がってしまったが、次に本命のUSB DAC・DA-200の音を聞く。
税抜き14万8000円という価格は、エントリーでも30~50万円程度から、ハイエンドでは100万円以上になるラックスマンとしては、安価な価格帯の製品。同社としても利益を薄くしてでも、多くの人に使ってもらえる、戦略的な価格を選んだという。
実はアナログ回路の内容は、既存のSACDプレーヤー「D-05」(31万5000円)とほぼ同等。ディスク再生に必要なメカの部分を除き、USBのインターフェースを載せたものだという。光・同軸デジタル(最大24bit/192kHz)に加え、USB(同24bit/96kHz)のインターフェースを装備している。内部をみると、音の7~8割を決めるというアナログ部分にきちんとした物量が投入されている点が確認できるはずだ。
USBチップはこの分野で定番の台湾テノール製。使用するDACはバーブラウンのPCM1792A。サンプリングレート変換により、内部は192kHzで統一されている。USBは同期モードでの接続になるが、サンプリングレートの変換のため、一度データがバッファーに入り、高精度クロックでデータの再配列を実施するので、ジッターの少ない再生が可能になるとのこと。
XLRとRCA(可変/固定)の2系統の出力に加え、ヘッドホンアンプとしても機能するので、高級ヘッドホンからオーディオの世界に興味を持った新しい層に対しても強くアピールできているようだ。
これをネットの口コミが後押しした。これなら手が出せるということで、関心が高まり、結果として、取材月の2月はもちろん、3月、4月のロットまで予約済みという結果。GWまで手に入れにくい状況が続きそうなほどのヒット作となった。
応用の自由度はネットワークオーディオを上回る
ここでUSB DACとネットワークオーディオ、それぞれの利便性について考えてみよう。DLNAやUPnPといった技術を使った、ネットワークオーディオに関しては、この連載でもLINNやヤマハなどの製品についてみてきた。
ワンボックスで多くの機能が完結するネットワークオーディオに比べて、USB DACは単機能だ。簡単に言えば、パソコンの音が鳴るだけである。パソコンが必須になるので、普通別々の場所に置かれるであるオーディオとパソコンをどう共存させるかという問題(主に設置に関わる物理的な問題)が発生するが、機能に関しては、ファームウェアによってできることが制限されるネットワークプレーヤーにはない自由度の高さがある。
例えば、パソコン用再生ソフトで現在定番的な位置付けの「foobar2000」にはDLNAクライアント機能もプラグインとして用意されている。これとUSB DACを組み合わせれば、ネットワークオーディオ的な機能がPCでも実現できてしまうのだ。
また、ネットワークUSBハブといった製品を使えば、設置の面でも工夫が利くし、iPhoneなどからの操作も可能となる。ファイル形式に関しても、メーカーのファームアップを待たずに自らの手で最新のものに対応していける。例えば、最近開始されたDSD配信などをすぐに楽しみたいならパソコンのほうが有利だ。
機会があれば細かく紹介してみたいが、パソコンという汎用機ならではの遊べる要素も多いのではないか。
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