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こだわり機器を聞く、最上の試聴室めぐり 第6回

歴史の重みを感じた、2時間超の試聴取材

LUXMAN試聴室で、ハイレゾと真空管、両極端のサウンドを体験 (2/6)

2011年03月11日 09時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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真空管と半導体、対照的な2つのシステムを聴く

 今回はその中でも、USB DACの「DA-200」をぜひ聴きたいと考えていた。実はラックスマンは、ブログやTwitter(@luxman_japan)など、インターネットを活用した広報活動に積極的で、個人的にもユーザーと担当者の間でやり取りされる、DA-200の話題に注目していた。

DA-200。USB DACとしての機能のほかに、ヘッドホンアンプとしての機能も装備している

 取材を申し込むと、タイミングのいいことに、近日中に販売が開始される真空管アンプ「CL-38u」と「MQ-88u」も聴けるという。それも正式発表前のアナログプレーヤー「PD-171」を一緒に使ったデモとして披露するとのこと。

左上からパワーアンプのMQ-88u、コントロールアンプのCL-38u、アナログプレーヤーのPD-171

 これは中々面白い企画だ。つまり「レコード+真空管」と「ハイレゾ音源+PC」という対照的な2つ組み合わせを「存分に聴き比べてもらって、いいですよ」と言ってもらえたのと等しい。きわめて贅沢な話である。

 そしてふたを開けたら、試聴だけでも二時間があっという間に経過。今回の取材はまさに耳欲を満たす至福の時間となった!

 と、のっけからテンション高めに筆を連ねてしまったが、ここで一言書き添えたいのは、今回聴いた一連のシステムの音が本当に良かったことだ。いや単にオーディオ的な意味で音がいいのではなく、音が音楽として弾んでいた。眉間にしわを寄せて音の粗探しをするような取材ではなく、いろいろな薀蓄話を聞きながら、改めてリスニングの楽しさを実感できる試聴取材だったのだ──。

 ここでシステムについて解説する。試聴したシステムは二系統ある。

 ひとつが真空管グループ。これはアナログ時代からの伝統を現代風にアレンジしたらどうなるかを示すシステムと言っていいかもしれない。ソース機としてアナログプレーヤーの「PD-171」(41万4750円)とSACDプレーヤーの「D-38u」(23万1000円)を用意し、「CL-38u」(33万6000円)と「MQ-88u」(39万9000円)のセットに接続している。

試聴したシステム。ラックの上段に並んでいる3機種に、左下のプレーヤーを加えたのが真空管グループ。中央下と右下が半導体グループとなる。USB DACはPCと一緒に手元で操作している

 もうひとつが半導体グループで、こちらはパソコンやネットワーク配信など最新フォーマットを楽しむ、最先端のオーディオシステムと表現できる。ソース機はUSB-DACの「DA-200」(15万5400円)とSACDプレーヤーの「D-06」(52万5000円)。これを上述のL-590AX(55万6500円)につないでいる。

 ともにスピーカーはコンセンサス・オーディオの「Lightning SE」(ペア252万円)で、スピーカーケーブルをつなぎ変えて試聴。PCオーディオと真空管の味わいの違いが体験できるだけでなく、USB DACが上位のSACDプレーヤーの音にどこまで迫れるか、というのも注目のポイントである。

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