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大河原克行が斬る「日本のIT業界」 第15回

ひとり勝ちソフトバンクを追うドコモ、無策に泣いたKDDI

Galaxy S発売! キャリアが「スマホ・シフト」する狙いとは?

2010年11月04日 09時00分更新

文● 大河原克行

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スマホ市場の勝者となれるか?

 NTTドコモにとって、スマートフォン市場での巻き返しは大きな課題となっている。

同日行われたドコモの決算発表会での山田社長

 iPhoneで先行するソフトバンクモバイルは、スマートフォン市場で圧倒的なシェアを獲得。その差が、ドコモとの純増数の差になって表れているからだ。

 ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、「前年同期の純増数は68万件。これに対してこの2010年度上期の純増数は159万7600件。大幅に増加した理由のひとつが、iPhoneの販売が好調であること」と語る。

 調査会社の調べによると、2010年度上期のスマートフォンの新規販売台数のうち、約8割をiPhoneが占めている

 「圧倒的ナンバーワンのスマートフォンがiPhone。さらにiPhoneの新規契約のなかで、女性ユーザーの比率が増加している。そして、iPhoneの法人累計契約数は、2008年7月を基準にした場合、約40倍に増加している。もはやスマートフォンはニッチな商品から一般的な商品へと変わっている」(ソフトバンク孫社長)

 一方、NTTドコモによると、2010年度上期のスマートフォンの販売台数は60万台。そのうち新規購入は約2割。残りが8割が機種変更などだ。「今後、新規購入が増えていくことになるだろう」と、純増への貢献はまさにこれからだ。

ドコモのスマートフォンラインアップ

携帯電話のARPU推移

 スマートフォン向けISPである「spモード」も9月1日のサービス開始以来、34万契約に達しており、こちらも順調に拡大している。

 山田社長は、「3~4年後には、純増数の半分をスマートフォンが占めるようになるだろう」とみており、今後、それに向けたラインアップ拡充およびサービス拡充に挑むことになる。

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