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驚愕の結果! アルカリ乾電池性能比較実験! 第5回

大電流で電池も加熱! ミニ四駆で無茶してみた~有名メーカー編

2009年04月22日 18時00分更新

文● 藤山哲人

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ミニ四駆で最高速度を狙うならこの電池!

 電池の電圧降下の具合と寿命の結果が分かったが、肝心の初音ミク号の叩き出した最高速度を考慮していない! シャーシダイナモの速度計はどのようになっているだろうか? 予測通り短命な電池は大電流を放出しているからなのか?

 縦軸は、シャーシダイナモで発生した電圧に300(独自の速度係数)をかけて、感覚的に分かりやすい時速表記にしている。数値が大きいほどミニ四駆は高速で走行したことを示しているとともに、電池から大きな電流が流れたことを示している。

 このグラフから分かるのは、大電流を放出した結果短命になっている電池がやっぱりあった! ということだ。その代表が、富士通 R SPEC、パナソニックのエボルタ、富士通 D RANGE。

 寿命では最下位グループの電池たちだが、最初の5分あたりで他社が170km/hで流しているところを、

 富士通 R SPECとエボルタが200km/hオーバーでブチ抜いていく!

 富士通 R SPECのグラフは13分あたり、エボルタは18分あたりでグラフが途切れているが、これは1.6Vを下回ったために実験を中断したためだ。つまり、これらの電池は終止電圧を下回った状態でも、まだ150km/h~130km/hで走れる大電流を出し続けていたということ。

 3位の富士通 D RANGEは、大電流を出し続け、かつロングライフ(28分で実験中断)と言えるだろう。デジカメ用と謳っているのも頷ける。

 この特性を考えれば、富士通 R SPECとエボルタはゼロヨン系の短距離タイムアタックで最速を狙えそうだ。ル・マン24時間耐久レースのように、長距離タイムアタックなら富士通 D RANGEで電池交換のピットイン回数を減らして上位を狙える。

 長寿命で1位と2位になったパナソニックと富士通 G PLUSは、グラフを見れば分かるとおり、3分を過ぎると130km/hでエコドライブモード状態。ロングライフを実現するために、大電流を出さないようにしているのがよく分かるだろう。

 3位の三菱は、スタート直後から160km/hでクルーズして除々に速度を落としているが、中盤からは富士通 D RANGEと競り合うほどになっている。豆電球のように小電流をちょろちょろ出しても、蛇口を一気に開いて大電流を出しても、そこそこいい成績という点が驚きだ。

 最高速度と実験終了までの平均速度をグラフ化すると次のようになった。

 なお、ミニ四駆の電池選びの参考にしてほしいのは、次のグラフだ。

 ミニ四駆のレースは、だいたい10~20秒で勝負が決まる(短距離だと数秒ってコトも)。そこで、実験開始から20秒の平均速度を算出してみた。先のグラフとあまり変わりはないが、3位と4位が逆転しているのが分かる。富士通 D RANGEはスタートダッシュからアクセル全快タイプ、パナソニックのアルカリは、さながらタイヤのグリップ状態を見ながらアクセルを開けているように、スタートダッシュの違いが分かるだろう。

(次のページへ続く)

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