チャット取材とリアル取材の違い
―― すると2chまとめサイトは編集者型の人が多そうですね。犬さん自身も編集者型に見えます。
犬 そうですかねー。たしかにInterview with Webmastersでも、まるで僕がいなかったかのように、相手の管理人さんにしゃべってもらうというのが理想なんですが、自分を出し過ぎて怒られたことが何度かありますよ。
敷居の先住民さんへのインタビューで、後半ぐだぐだとしゃべっていたら、はてなブックマークで「後半、お前のテキストしかないじゃないか」というコメントがついていたり(笑) まあ、実際そうなんですけど。
―― インタビューのほとんどはチャットで行なっているんですよね。どのくらい編集しているんですか?
犬 順序を入れ替えたりはしていますが、相手の発言は極力省かないようにしています。「顔の見えるインターネット」は、4ページで記事のニュアンスをまとめる作業をしていると思いますが、ぼくは「ああ~」や「うーん」なんかの息づかいも残してますからね。
―― 今もそうですが、立ち会いでの取材もされていますね。そういう形式とチャット取材の違いは何かありますか?
犬 一番大きいのは、相手がしゃべっていない時の「間」です。チャットだと、相手が考え中なのか、答えを終えて次の質問を待っているのか判断できないんですよ。リアルに立ち会っていたら、相手の様子から読み取れますよね。
でも、立ち会いだと、文字起こしをしないといけないのがキツいです。一度、4時間くらいのインタビューをやったんですけど、完成するまでに半年くらいかかりましたね。
―― あ、もっと言ってください(笑) あと、チャットやメールでの人格と実際の人格が違う人っていますよね。ハンドル握ると性格が変わる、というような……そういったズレは感じますか?
犬 チャットでインタビューしたあと、オフ会で実際にお会いした人が何人かいます。そのときの印象が全然違ってて「インタビューやり直させてくれ」と思うこともありました。でもまあ、実際は面倒だからあんまりやりたくないんですけど(笑)
チャットは相手に考える間を与えるので、オフィシャルな言葉になります。対面した場合は、間がないので、より気安い言葉を引き出せる。そういう違いはあるでしょうね。
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