このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

最新パーツ性能チェック 第65回

ミドルクラスの本命「Radeon HD 4670」の性能を探る

2008年09月17日 20時00分更新

文● Jo_Kubota

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 9月10日にAMDよりATI Radeon HD 4000シリーズのミドルクラスGPUとなる「ATI Radeon HD 4670」および「ATI Radeon HD 4650」が発表された(関連記事)。すでにHD 4670は1万2千円前後とリーズナブルな価格でアキバなどで販売が始まっており、売れ行きもそこそこ良いようだ。またHD 4650を搭載する製品の販売も記事執筆中に始まっている。
 今回はAMDよりATI Radeon HD 4670(以下HD 4670)のリファレンスカードを借用できたので、気になるパフォーマンスレビューをお届けしよう。

Radeon HD 4670

「ATI Radeon HD 4670」リファレンスカード

 その前にHD 4670/4650のスペックを紹介しておこう。HD 4670/4650はHD 3650の後継とされているが、スペック表を見て貰うと分かるとおり、HD 3850の後継と見るべきだろう。ただHD 3850のメモリバスは256bit×2とリッチなものだったが、HD 4670/4650では128bitとミドルクラスらしくコストダウンが行なわれている。ただしストリーミングプロセッサ数はHD 3850と同じ320基、そしてテクスチャユニット数はHD 3850の倍となる32基、さらにコアクロックはHD 3850よりも80MHz高い750MHzとなっているなど、メモリバスで削減されたパフォーマンスを補う工夫が見られる。
 またHD 4670の特徴としてHD 3650と同様にPCI Expressの補助電源コネクタを必要としない省電力な点が挙げられる。PCI Expressスロットが供給できる最大電力は75Wとなっており、これを下回る製品はPCI Expressの補助電源を必要としないのだ。
 HD 4670とHD 4650の大きな違いはメモリスピードとGPUクロックだ。メモリスピードはHD 4670がGDDR3/2GHz相当なのに対し、HD 4650はDDR2/1GHz相当と半分ほど。そしてGPUクロックは前者が750MHzなのに対し後者は600MHzと意外と差がついている。
 もう一つ見逃せない差がある。それはATI CrossFirex Xへの対応だ。HD 4670は対応しているがHD 4650は非対応となる。このクラス(ミドルレンジ)でマルチGPUを構築する人は少ないと思われるが購入時には気に留めておく必要があるだろう。

各ビデオカードの比較表
  Radeon HD4670 Radeon HD4650 Radeon HD3850 Radeon HD3650 GeForce 9600 GT
コードネーム RV730 XT RV730 PRO RV670 PRO RV635 G94
プロセスルール 55nm 55nm 55nm 55nm 65nm
シェーダバージョン 4.1 4.1 4.1 4.1 4.0
DirectX対応 10.1 10.1 10.1 10.1 10.0
シェーダ/ストリーミングプロセッサ数 320基 320基 320基 120基 64基
テクスチャユニット数 32基 32基 16基 8基 32基
ROPユニット数 8基 8基 16基 4基 16基
コアクロック 750MHz 600MHz 670MHz 725MHz 650MHz
シェーダクロック 750MHz 600MHz 670MHz 725MHz 1625MHz
メモリクロック 2GHz 1GHz 1.66GHz 1.6GHz 1.8GHz
メモリ種別 GDDR3 DDR2 GDDR3 GDDR3 GDDR3
メモリインターフェイス 128bit 128bit 256bit×2 128bit 256bit
メモリ容量 512MB 512MB 256MB 256MB 512MB
PCI Expressタイプ 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0
PCIe 電源タイプ - - 6ピン×1 - 6ピン×1
消費電力 75W以下 60W以下 95W以下 75W以下 95W以下
実勢価格 約1万2000円 約1万円 約1万2000円 約1万円 約1万6000円
Radeon HD 4670

GPUクーラーは銅製の1スロットタイプ。アイドル時の騒音は非常に静か。ただし、高負荷ではそれなりに騒音を発するが、騒々しいというほどではない

Radeon HD 4670

出力はDVI×1、DisplayPort×2という珍しい構成。DisplayPortはまだまだ普及の兆しが見えないため、使い道のない状態。使い勝手を考えればまだまだDVI×2という構成の方が便利だろう

Radeon HD 4670

カード裏面にもメモリチップが装着されている。メモリはHynixのGDDR3「H5RS5223CFR-N0C」(1.0ns)を8チップ搭載し合計512MBを実装している。突起物は少ないため隣接する拡張カードとのクリアランスは問題なさそうだ

サイズ比較

HD 4670とHD 3850を並べてみたところ。HD 4670のカード長は非常に短く、わずか166mm。キューブケースでも問題なく収まるサイズだ。またPCI Express補助電源を必要しないため基板もスッキリしている

GPU-Z

「GPU-Z 0.2.7」でHD 4670を見たところ。GPUクロックが異常な値を示しているがGPU-Zのバージョンが上がれば正しい表記になるはずだ

Catalyst Control Center

「Catalyst Control Center」で見たところ。ATI PowerPlayが有効になっているためアイドル時のGPUクロックは750MHzから165MHzまで落ちているのが分かる。メモリクロックは250MHzと表示されているが、これは500MHz相当となる

(次ページへ続く)

前へ 1 2 3 4 5 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中