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最新パーツ性能チェック 第57回

【最新パーツ性能チェックVol.57】

ゲーマーは「GeForce 9600GT」に買い替えるべきか?

2008年02月25日 23時57分更新

文● 加藤 勝明

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 昨年11月の「GeForce 8800GT」の発表以来、グラフィックボード関係に新たな動きが見えてきた。PCI Express 2.0対応やプロセスルールのシュリンクによる低発熱化、そしてDirectX10.1対応(これはATI製品のみだけだが)と、技術的な新要素追加のラッシュともいえる。
 しかし、ユーザ側から見た最近のトレンドといえば「スーパーミドルレンジクラスの台頭」だ。8800GT人気は技術云々よりもコストパフォーマンスの高さが引き金となっているが、NVIDIAはさらに高コストパフォーマンスな新ミドルレンジクラスのGPUを投入してきた。それが今回紹介する「GeForce 9600GT」だ。今回はアキバで発売済みの製品を早速捕獲できたので、ベンチを交えつつライバル製品との比較を試みたい。

GeForce 9600GT

「GeForce 9600GT」を搭載するリファレンスカード。1スロット仕様で、秋葉原での価格は約2万3000円~約3万円

GeForce 9600GT

リファレンスデザインでは、基板上部のSLIコネクタ近くにS/PDIF入力端子を装備している

GeForce 9600GT

インターフェイスとしてデュアルリンク・HDCP対応のDVI端子を2つ備える

GeForce 9600GT

8ピンの補助電源コネクタを搭載。カード全体での最大消費電力は95Wとしている

内容は8600GTSのほぼ2倍!

 まずは9600GTの簡単な仕様を確認してみよう。9600GTの開発コードは「G94」つまり、8800GTのG92と同じ、65nmプロセスで製造されたPCI Express 2.0対応のGPUということになる。スペックは以下の表の通りだ。

  GeForce
9600GT
GeForce
8800GT
GeForce
8800GS
GeForce
8600GTS
コアクロック 650MHz 600MHz 600MHz 675MHz
メモリークロック 1.8GHz 1.8GHz 1.8GHz 2GHz
搭載メモリー 512MB GDDR3 256/512MB GDDR3 384MB GDDR3 256MB GDDR3
メモリーバス幅 256bit 256bit 192bit 145bit
シェーダー
クロック
1625MHz 1500MHz 1500MHz 1450MHz
ストリーム
プロセッサー数
64 112 96 32
インタフェース PCI Express 2.0
x16
PCI Express 2.0
x16
PCI Express 2.0
x16
PCI Express 1.1
x16
DirectX 10 10 10 10

 8600GTSはストリーミングプロセッサが32個と少ないため最新3Dゲームではもう非力な存在となってしまっているが、9600GTはそれを一挙に倍の64個に強化、さらにメモリーバス幅も倍の256bitにするなど、「2倍づくし」で固めてきた。これで価格は初物価格で2万5千円近辺。8800GTのバルクがたまーに2万円台後半で購入できることを考えるとちょっと割高だが、この価格帯にはライバル「Radeon HD 3850」がいる。9600GTは「Radeon HD 3850」に対するNVIDIAの反撃なのだ。
 だがスペックアップの代償として基板サイズが大型化し、8800GTと同サイズになってしまった。GPUクーラーも同様の薄型の基板全体を覆うタイプになっている。8800GTの場合、このカバー自体が熱を持つのが最大のネックだが、9600GTはGPUのスペックダウンによってどの程度発熱が抑制されているかが見所になる。

ELSA製「GLADIAC 796GT 512MB」

今回検証のために調達したELSA製「GLADIAC 796GT 512MB」。どうもこういう仕事をする度に貧乏になっていく気がしてならない今日このごろ

8600GTSと9600GTの比較

8600GTS(上)と9600GT(下)の比較。基板サイズが長くなったおかげで、小型のケースにいれにくくなった点は少々残念

SLIもテストせざるを得ない

 さて、9600GTのベンチに入りたい。今回は8800GTと8600GTSという9600GTの上下モデルのほかに、Radeon HD 3850も交えて比較してみることにしたい。さらに、9600GTを2枚用意したSLI構成にした場合、いったいどれだけのスコア出るのかという点も見てみたいものだ。というわけで今回のテストマシンは、nForce 680i SLIマザーをベースにしたものだ。テスト環境は以下の通り。

テスト環境
CPU:インテル「Core 2 Duo E6850」(3GHz)
マザーボード:MSI「P6N Diamond」(nForce 680i SLI)
メモリ:Transcend TX1066QLJ-2GK(DDR2 1066 1GBx2)
HDD:Seagate「ST3500630AS」(500GB SerialATA)
OS:Windows Vista Ultimate
フラフィックドライバ:ForceWare 169.25 / 174.16

 9600GTのドライバは既にWQHL版174.xxがNVIDIA公式サイトからダウンロードできるが、現在のバージョンではGeForce 8シリーズを認識しない、別のドライバーになっている。検証で使用するForceWareが2種類なのはそのためだ。

※お詫びと訂正:GeForce 8800GTのストリームプロセッサ数の表記に誤りがありました。訂正して、お詫びいたします。

(次ページへ続く)

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