普通の電源ではもう動かない?
さてこの9800 GX2、それなりに電力消費も大きくなるのは当然の話だが、これまでのハイエンドビデオカード以上に電源ユニットを選ぶ点にも注意したい。ネットでは「12V出力を40A以上備えた580W以上の電源」という情報が既に流れていたが、650W出力なら1万円~2万円強で購入できるため、さほど障害にはならない。だが、問題は「コネクターの形状」なのだ。9800 GX2は6ピンと8ピンの計2つのコネクターを備えるのだが、8ピンコネクターに6ピンの電源ケーブルを差す方法は使えないのだ。
9800 GX2側のコネクターは、固定用のツメが入る空間がカバーによって制限されているため、6ピンケーブルを挿入しようとしても入らない。最近は6ピン+2ピンで合体できる仕様のケーブルもあるが、ツメが入らないのでアウト。しかもツメが入る空間が比較的狭いため、8ピンコネクターでもツメが太いと入らないのである。
久しぶりの頂上対決が実現
ではベンチ環境の解説に入ろう。ベースになっているマシンは下表の通りだ。9800 GX2の他に用意したのはリファレンスデザインの「GeForce 8800 GTS 512」、および直接のライバルとなる「Radeon HD 3870 X2」だ。ドライバーは当初ForceWare 173.67を利用していたが、パフォーマンスが全く出なかったためテスト時の最新β174.53を利用している。173.67は既にアキバで流通が開始された製品に同梱されているドライバーと同じバージョンであるため、購入したらとりあえずドライバーは更新しておくのがよさそうだ。
テスト環境 |
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CPU:インテル「Core 2 Duo E6850」(3GHz) |
マザーボード:Gigabyte「GA-X38-DQ6」(X38チップセット) |
メモリ:DDR2 800 2GBx2 |
HDD:Seagate「ST3500630AS」(500GB SerialATA) |
OS:Windows Vista Ultimate |
フラフィックドライバ:ForceWare 174.53/169.25 Catalyst 8.3 |
【3DMark06】FSAAナシの設定で性能を語るべからず
トップバッターは定番の「3DMark06」だ。設定は毎度の通り標準設定(デフォルトのまま)と、高画質設定(アンチエイリアスX4、異方性フィルタリングX16)の2つを用意した。また、今回はスコアの直接比較のほかに、8800 GTS 512を1とした場合の9800 GX2の性能を別グラフにまとめてみた。実際どの程度性能が伸びているかチェックしてみよう。
標準設定では9800 GX2とHD 3870 X2の両者は一歩も退かぬ実にいい勝負を展開したが、高画質設定になると均衡が破れ9800 GX2の勝利に。こうして見ると決してHD 3870 X2も悪くはないのだが、後出しの方が勝つというGPU業界のお約束を忠実にトレースする結果といえる。
気になる8800 GTS 512との比率の方も、高画質設定にして初めて差を実感できるようになった。もうこのクラスのGPUをテストするには、アンチエイリアスのない環境での数値なぞ無意味になりつつあるようだ。
(次ページへ続く)
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