会場に巨大な兵員輸送車が! セキュリコ
「なんですか、あのバスは!」
北村記者が指差す先に、巨大な車輌が鎮座している。青く塗装されており一見旧東欧圏あたりの田舎臭い通勤バスのようだが、もちろんバスではない。これはイラクやアフガンレベルの紛争地域での使用も可能な防弾兵員輸送車なのだ。
この防弾兵員輸送車は、自動小銃の銃撃にも耐え、さらに地雷に対する車内用耐爆ブランケットや、タイヤに銃撃を受けても高速走行が可能なシステムなどを組み込むことで、陸上自衛隊の軽装甲機動車クラスより耐弾性に優れた車体に仕上がっているようだ
車輌本体の防弾性能を示す金属プレート。アサルトライフルから発射された7.62mm弾をしっかりと防いでいる
同じく窓ガラスの防弾性能を示すガラス板。こちらも7.62mm弾をしっかりと防いでいる
手榴弾などの爆発に伴い飛来する高速の破片を吸収する耐爆ブランケット
タイヤに銃撃を受けても高速走行が可能な「ランガード・システム」
このほか、射撃訓練用のロボットターゲットや、航空機を地対空ミサイルからの攻撃から守るシステムの説明パネル、原子力災害等で用いられる中性子遮蔽板なども展示されていた。
ワイヤレスコントロールで自在に走行する射撃訓練用ロボットターゲット
航空機防護システムの解説パネル
原発事故や臨界事故などで緊急出動するヘリのフロアーに取り付け、搭乗員の被爆を回避、軽減する「中性子遮蔽板」
反撃用ガンポート(銃眼)と、戦闘車両用ペリスコープ(潜望鏡)を装備した「特殊鋼製防弾盾」
発射された弾丸(拳銃・小銃・RPGロケット弾・大砲)の弾道を瞬時に解析するシステム。ライフル乱射事件の対処や、紛争地域における狙撃による被害の回避に有効とされる
PDIからはサバゲー用? いや、れっきとしたトレーニング用装備!
各社のブースを眺めながら歩いていた北村記者の足が止まる。視線はある企業のブースに注がれている。視線の先には、多数のモデルガンらしきものが。彼は元々サバイバルゲームのマニア。小口径の銃火器についてはかなり詳しい。しかし、ここはテロ対策特殊装備展。単なるモデルガンが置いてあるとは思えないのだが……。
さっそく説明員に話を聞くと、官公庁等に納品した訓練用の銃、または現在開発中の訓練銃だという。これらの銃はマーキング用のゼラチンボール、プラスチックボール、訓練用のラバーボールなどを発射可能で、パワーソースはガス、もしくは圧縮空気とのこと。
18mmペイント弾を2個同時発射する防犯用ペイントボールランチャー「BorMer(ボーマー)」。このランチャーを使用するとペイントボールの手投げよりも命中率があがるとのこと
現在開発中の訓練銃。89式、M4A1、AK47と各実銃に近い形状で、これらを用いることでよりリアルな訓練が可能になるという
すでに陸上自衛隊で採用されている各種訓練銃
訓練銃で使用する弾は直径11mm。市販のエアガンなどで使用するBB弾の約2倍の大きさだ。写真左は暴徒鎮圧用のラバーボール。写真右は訓練などで使用する、いわゆるペイント弾
分隊支援火器ミニミM249(上)と、M203グレネードランチャーを装備した自動小銃M4A1(下)を再現した訓練銃
グレネードを再現した訓練弾。穴の部分にペイント弾などを装填し、最大5つの弾を同時に発射する。頭頂部にあるのはガスの注入口だ
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