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あなたは何時何分にどこにいた?

突如舞い込む石原都知事からの手紙

2008年11月22日 05時00分更新

文● 片瀬京子

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封筒を開けると、東京都の石原知事がほほ笑んでいる。そこには「東京都市圏パーソントリップ調査へのご協力のお願い」と印刷されていた。

調査票

封筒を開けると、石原都知事のニッコリ笑顔が

 今回で5回目を迎える「東京都市圏パーソントリップ調査」は、3700万人にのぼる東京都市圏居住者が、一日をどのように移動して過ごしたかを把握するための、10年に一度の定期調査。対象となる約140万世帯には、10月1日から11月末にかけて、調査票が郵送されている。同封されていた都知事からのメッセージには2016年の「オリンピック・パラリンピックを実現するために」の文字が躍るが、国土交通省は「オリンピックのための調査ではありません」と言う。

 ではなんのためなのか。パーソントリップ調査のサイトでは、それはつまびらかになっていない。「各種研究分野で幅広く活用されています」と説明は抽象的で、どうも「話してもわかんないだろうからとりあえずキミたちは調査に協力しといて」と言われているような感じがして、なんだか参加することに意義がない調査という気がする。

 実際は、主に交通網の需要予測に使われるそうである。つくばエクスプレスや、日暮里・舎人ライナーの開業にもこのデータが大いに役立ったとか。こういうこと、先に言ってくれれば、面倒な記録も少しは我慢と思うのに。そう、真面目に協力しようとすると、結構手間がかかるのだ。どこからどこへどんな交通機関を使って何分かけて移動したか。その建物の住所は。車で移動した場合はその車の持ち主はなどなど。需要予測のため、世のため人のためと自分に言い聞かせつつ、職務質問でもここまで細かくはないだろうと思う。

 10年前の前回までは、調査員が訪問し、調査票を手渡して依頼する形をとっていた。しかし、個人情報への意識の高まりを受け、今回は郵送。回答にはネットも使えるが、「やはり紙での回答が多い」(国土交通省)とのこと。気になる回収率は「20%を超えるところを予想していて、順調に推移している」そうである。

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