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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第12回

目指せ円満退職! 順調に進んでいた転職活動に思わぬ問題が発生

2006年10月05日 00時00分更新

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円満退職の難しさを痛感。転職先が決まっていても安心は禁物

 「転職しますよ」と言葉にするのは簡単だが、現在の職場を簡単に辞められるとは限らない。宮島さんは退職当時すでにベテランとして後進の指導にあたっていたそうだ。そうなるとなおさら簡単には退職できないものである。前職場から「今、辞められては困る」と慰留されたという。転職活動の難しさは転職先への就職だけでなく、円満に退職をすることにもある。宮島さんにとって、それは“抱えている職務をどのように果たして職場を去るか”ということにかかっていたそうだ。前職場の規定では、退職する意向を退職1カ月前までに伝えることになっていたが、抱えている仕事を整理してみると、とても1カ月では後任に引き継げないことが分かったのである。

「当時、僕はサーバの運用に携わっていたのですが、業務スケジュールが3カ月単位なので、途中で仕事から外れることが難しかったのです。また、エンジニアにはよくあることですが、自分しか内容が分からない仕事が多かったので、僕がいきなり抜けてしまうとサーバの面倒を見る人がいなくなってしまう状況でもありました。慢性的にエンジニアが不足している職場なので『もう一度考え直してくれ』とも言われました。引き継ぎをするため、僕しか分からない仕事を新しい担当者に教えるかたわら、業務以外の空いている時間はほとんど、抱えていた仕事をドキュメントとして残す作業に費やしました。それこそ休む暇はなかったですね。ですから退職するまでに結局、2カ月ほどの時間をいただきました。Webプログラマが転職を考えた場合、引き継ぎの下準備が一番大変だと感じました」

 サーバ運用やプログラミングなどの仕事では、全体的なことは上司も把握しているが、細かいノウハウは現場の者にしか分からない。エンジニアが転職する場合、抱えていた業務に関する情報をすべて後任に受け渡す準備をしなければならない。ようやく前職場での仕事を整理した宮島さんは、カカクコムへの転職活動を開始した。とはいうものの、カカクコムには「紹介制度」というものがあり、同社の社員からの推薦があると入社試験などが省略される。特に宮島さんは推薦人が「食べログ」の責任者ということもあり、社長との会食の後は履歴書を提出し、そのまま役員面接という流れになった。

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