友人からの誘いを好機ととらえ、前向きに転職へと突き進んでいく
宮島さんが働き始めて2年近く経ったころ、中学から大学まで一緒に学んでいた友人からある誘いを受ける。その友人は株式会社カカクコムで働いており、今度「食べログ.com」というサイトを立ち上げるので、一緒に取り組めるパートナーを探していたのだ。
「当時のカカクコムはメインサイトの『価格.com』の運用が最優先事項で、新規サイトの事業になかなか人員を回せず、企画はできていてもシステムを作る人間がいなかったのです。そうした状況なので、興味があったら一緒に働かないかということでした。当時の彼はWeb系の知識が少なかったので、2年ほどサイトのプログラミングの仕事をしていた僕の方が業界に明るいと見ていたようです。僕はかねてから考えていたサービスの立ち上げに関われるチャンスだと思いました」
自分のやりたい仕事ができそうだというのは魅力的だが、転職はテーブルを右から左へ移動するように簡単にはいかない。宮島さんにも不安はあったという。転職するということは、慣れ親しんだ仕事環境から離れることであり、これまで作り上げてきた実績があまり意味をなさなくなること、職場の雰囲気や人間関係など気がかりであったそうだ。
「前の職場の開発環境はオープンソース系でFreeBSD(PC/AT互換機用のUNIX互換OS)ベースだったのですが、カカクコムはガラッと変わってWindows系なので、技術面は再び一から勉強しなければならないなと思いました。興味のあることには何でも食らいつく性格ということもあって、気持ちはカカクコムに傾きました。でも、本当に転職することが正解なのだろうかという迷いもあり、誘ってくれたことへの返事ができないでいました。すると例の友人が、カカクコムの社長やCTO(Chief Technology Officer=最高技術責任者)と引き合わせるために、会食の席をセッティングしてくれたんです。そのとき社長が『一緒にやろうよ。新サービスの立ち上げに当たっては、やりたいことをやってくれたらいい』と言うのを聞いて、社員の提案にきちんと耳を傾ける人だなという印象を受けました。カカクコムの雰囲気や職場環境については、友人からも聞いてはいましたが、社長と実際に話すことができたことで『移ったのはいいけど実情は違うんじゃないか?』という心配は消えましたね」
カカクコム社長との会話が宮島さんの背中を押すことになり、同社への転職することを決意したという。
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