このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第20回

未経験転職でも即戦力を目指すべき! プロジェクトリーダーのスキルアップ術

2007年02月22日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

志賀弘幸さん(38) 株式会社三菱総合研究所 ソリューション統括本部 製造・流通・サービスソリューショングループ

志賀弘幸さん(38)
株式会社三菱総合研究所
ソリューション統括本部
製造・流通・サービスソリューショングループ

異業種への未経験転職は容易ではない。転職成功自体が難しいうえに、入社後には仕事を1から覚えなくてはならないというハードルが待ち構えているからだ。その中で、志賀弘幸さん(38)は外資系石油会社の営業から、シンクタンクの三菱総合研究所のソリューション部門へ転職を果たした。現在はソリューション統括本部の製造・流通・サービスソリューショングループに所属し、クライアント企業の業務改革を行なうプロジェクトのリーダーとしてコンサルティング兼マネジメント役を務めている。未経験転職のリスクを越え、即戦力として結果を出すための仕事術を聞いた。

志賀弘幸さんのキャリアアップ・ポイント
・たとえ異業種への転職でも、「前職の経験こそが最大のスキル」と考えた
志賀弘幸さんの仕事術
・スタッフに、プロジェクトの完成図と完遂後に得られる経験を説明することで、モチベーションを高める
・クライアントやチームのメンバーとの対話を惜しまない
企業を選んだポイント
前職での経験やスキルが生かして、プロジェクトのコンサルティングやマネジメント業務ができる

未経験な自分を、ただの「未経験転職」にしないノウハウとは

 志賀さんは大学を卒業してから13年間、外資系石油会社の日本法人で営業と営業企画を担当。自社の石油製品を販売する代理店の決算書から販売実績を読み取り、新たな販売方法を提示したり、顧客の要望を吸い上げて業務改善を図ったりしていた。それが転職後は一転し、現在はクライアント企業の業務改善プロジェクトの立ち上げや、予算・業務進行などのマネジメントを行なうようになった。

 転職から2年。すでに塗料メーカーの経理業務改善・経理ソフト導入プロジェクトでリーダーを務め、クライアントの決算早期化を実現するなどの成果も収めているという。志賀さんのように他業種からの転職で即戦力として活躍するには、「未経験者だから」と妥協しない強固なマインドが必要なようだ。

「30代半ばを過ぎての転職でしたが、前職場と今の職場が畑違いだと思ったことは一度もありません。転職前の仕事で、自社の提携クレジットカードを作るため、コンセプト考えて企画書を制作し、経理部などの内部調整をした後にクレジット会社や代理店と交渉したり、システム開発の進行管理や販促キャンペーンなどを行なったりもしました。こうした仕事の流れは、現在のプロジェクトマネジメント業務と、基本的には変わりません。これまでの営業職で培った『相手の要望を引き出し、こちらの提案を納得させる能力』は、そのまま現職に役立っています」

 IT業界への就職は、未経験者には難しいと考えがちだ。ところが志賀さんは「異業種での経験が最大のスキル」と、13年におよぶ営業職キャリアに対し、あえて自信を持つように心がけたそうだ。転職サイトに登録後、スカウトメールが届いた企業のうち3社の面接を受けて2社の内定を得た。そのうちの1社である三菱総合研究所に採用されたのは2005月8月。就職活動を開始してからわずか4カ月というスピードだ。

「どんな業界への転職でも、職務経歴書や面接では前職の業務内容や得た経験、スキルを具体的に説明することが重要になります。私はプログラムを考えてシステムを構築する技術者としての能力よりも、工程管理やプロジェクトの全貌を見据えて全体をコントロールするマネジメント分野で力を発揮できると、自分のできることだけを無理をせずアピールしました。人事担当者に自分の能力を正確に知ってもらうことは、転職後に能力を最大限に生かせる部署に配属されるためにも大切なことです。転職において、このポイントを抑えておけば、たとえ未経験転職でも即戦力として力を発揮できる可能性が生まれると思います」

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ