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転職経験あり! 仕事人たちのストーリー 第12回

目指せ円満退職! 順調に進んでいた転職活動に思わぬ問題が発生

2006年10月05日 00時00分更新

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宮島壮洋さん(31) 株式会社カカクコム「食べログ.com」 技術責任者

宮島壮洋さん(31)
株式会社カカクコム「食べログ.com」
技術責任者

国内最大手の価格比較サイト「価格.com」を運営する株式会社カカクコムで、「食べログ.com」の技術責任者として運営に携わる宮島壮洋さん(31)。大学院を中退してIT業界へ就職。その後、大手ポータルサイト運営会社を経て現在の会社に転職した。今や年間売上高1700億のその会社から、同29億2100万円と規模の小さいカカクコムへ転職したのはなぜか。

宮島壮洋さんの転職成功のポイント
・転職先への就職成功だけにこだわらず、円満退職を目指し、責任ある行動を果たせた
・面接の際、前職からの転職理由を明確にできた
・挑戦することを楽しめる、仕事へのモチベージョンの高さ

現在の会社へ転職する際の応募データ

応募した企業数面接した企業内定した企業
1社1社1社
企業を選んだポイント
サービスを一から立ち上げるという自分の希望の業務を実現できる仕事だったから

既存の大きなシステムの開発よりも、一からサービスを立ち上げることが魅力

 大学で物理学を学んでいた宮島さんは、大学院へ進み素粒子物理学の実験などを行なっていたが、2001年10月から2003年2月まで大学院を休学。博士課程に進んでから研究分野の将来性などに疑問を抱くようになり、いったん「社会」という別の環境に出て自分を見つめ直そうと思ったのだ。社会勉強の一環として、宮島さんは米国公認会計士の試験勉強を開始。英語と会計を同時に学べる点に魅力を感じたからだ。また同時に、プログラミングスキルを生かし、Webプログラムのアルバイトも始めた。結局、復学した翌月の03年3月に大学院を中退。就職活動を開始してすぐに、業務系パッケージソフトのベンダーおよびコンサルティングを行なう会社に採用された。米国公認会計士試験の合格実績とプログラミングの経験を買われてのことだった。大学院、アルバイト、就職でまったく異なるカラーの業種を経験した宮島さんは、なぜIT業界に進んだのか。

「経験した仕事の中でWebプログラマが一番おもしろいと感じたんです。コンピュータ言語やプログラムの作成は、大学院で研究用の解析ソフトなどに打ち込んでいたので慣れていたのですが、Webプログラミングはアルバイトで初めて体験しました。このときにとてもやり甲斐を感じ、本格的にやってみたいという思いが強くなりました。最初に就職した業務系パッケージソフトの会社の方向性や内情に満足できなかったこともあり、入社して2カ月ほどで転職することにしました。行き先は大手ポータルサイト運営会社です。ここではオークション事業部に配属されて、オークションサイトの法人向けツールを作ることになりました」

 国内のWeb関連企業の中では老舗ともいえる会社の、しかも人気コンテンツの1つである「オークションサイト」のプログラム担当者という、多くの人が憧れる職業に就いた宮島さん。ところが時間が経つにつれて、仕事に物足りなさを感じるようになっていったというのだ。

「この会社では事業部制を導入しているので、オークション担当である僕はオークションの開発しか行なえませんでした。1~2年も同じ部署にいると、大抵のことは分かるようになり、新たに技術を習得する機会が少なくなります。もともと、いろいろなことを経験したいと思っていたので、次第に仕事に対する興味が薄くなっていくのを感じました。また、大企業なので、企画は企画担当、システムは開発担当と分業体制が行き届いています。そのため、自社開発とはいえ、自分で考えて作ったサービスとはいいがたい状況になっていました。ですから、自分でサービスを一から立ち上げることができたら、おもしいだろうなと考えるようになりました」

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