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柳谷智宣のkintoneマスターへの道 第26回

実用的な「カレンダーPlus」を試してみた

kintoneのカレンダープラグインでシフト管理をしてみる

2017年10月26日 11時00分更新

文● 柳谷智宣

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サイボウズ社が提供しているウェブサービス「kintone」は、一言で言うなら「簡単に自社の業務に適したシステムを作成できるクラウドサービス」だ。業務アプリを直感的に作成できるほか、社内SNSとしての機能も備えスピーディーに情報共有ができるなど魅力が盛り沢山だ。
本連載では、そんなkintoneの導入から基本機能の紹介、そしてアプリの活用法など、ビジネスの現場で役立つ情報を取り上げていく。第26回では、「カレンダーPlus」プラグインで実用的なスケジューリングをしてみる。

 飲食店のシフトをkintoneのカレンダーで管理したいのだが、「第23回 kintoneの導入相談カフェで根掘り葉掘り質問してみる」で取り上げたように、標準機能では無理、とのことだった。しかし、「第25回 「飲食店の悩みをkintoneで解決」をテーマにハッカソン開催!」のお題としたところ、kintoneのプラグイン「カレンダーPlus」という製品を使えばいけそうということがわかった。

「カレンダーPlus」のサンプルを試してみる

 早速、試してみようと思う。開発元であるラジカルブリッジのウェブサイトからプラグインをダウンロードしてインストールする。アプリも必要だが、まずはサンプルテンプレートが用意されているので試してみることに。

 試用ライセンスがあるので、まずはお試し。ちなみに、試用期間の制限はないが警告表示が出る。

プラグイン開発元のラジカルブリッジ

プラグインをダウンロードする

「kintoneシステム管理」の「プラグイン」を開く

ダウンロードしたプラグインを読み込む

サンプルアプリをダウンロードする

「kintoneシステム管理」から「アプリテンプレート」を開く

サンプルアプリを読み込む

テンプレートからアプリを作成する

「カレンダーPlusサンプルアプリ」を作成する

アプリが作成できた!

 まずは、初期設定を行なう。「カレンダーPlus」の設定画面を開き、既定の表示や動作、フィールドの関連づけなどを行なう。今回はサンプルアプリを利用したので、項目名とフィールド名はほぼ同じ。プルダウンメニューからどんどん設定していこう。

 続いて、アプリのフォームを調整する。サンプルアプリは「会議室」を押さえるカレンダーなので、飲食業向けに「会議室」を「店舗名」に変更しておく。

初期設定をする必要がある

プラグインの設定画面を開く

時間や曜日の設定を行なう

色の値を設定したら「保存する」をクリックする

続いて、アプリの設定から「フォーム」のカスタマイズを行なう

会議室名を店舗名に変更する

アプリを更新する

準備完了。早速利用してみる

 準備ができたので、早速利用してみよう。日付をクリックしてタイトルを入力する。ここでは、シフトに入れるスタッフの名前だ。試用版の場合は、このときに警告画面が表示される。正式契約すれば、警告画面は出なくなる。

 タイトルを入れてOKをクリックすると、カレンダーに項目が追加される。まさにGoogleカレンダーのような使い勝手。次々と追加しても全部表示される。ただし、これではシフトの時間帯がわからないので、追加した項目をクリック。編集画面が開くので、時間や色を設定すればいい。

 ちなみに、最初に試したときに「保存処理に失敗しました」というエラーが出てしまった。これは、開始日時や終了日時以外のフィールドで、初期値を設定していない必須項目があることが原因。店舗名を必須にしたことで発生してしまったのだ。

 もちろんkintoneの+をクリックしてレコードを作成することもできるが、日付をいちいち選択するよりは、カレンダーを見ながらダイレクトに操作する方がずっと楽。感覚的にシフトを構築できるので効率的だ。シフト時間がある程度決まっているテンポならいちいち時間を入力せず、色分けで早番遅番などを分類するのもありだろう。

これで準備完了。予定を入れたい日付をクリックする

試用版なので、警告画面が表示される

日付をクリックすると入力画面が開く

入力したタイトルのレコードが作成された

クリックすると時間などを設定できる

標準機能では不可能な、多数の情報を表示できるのが便利

標準のカレンダー機能で表示したところ。何が何だかわからない

週表示にしたところ。時間まで把握できる

 シフト作成機能として活躍するのがドラッグ&ドロップ機能。マウスで予定を移動できるのだ。週表示や日表示であれば、時間の調整もマウスで行なえる。

作成した項目をドラッグ&ドロップで移動できる

時間をドラッグして調整できる

 これで複数拠点から自由に全店舗のシフトを組めるし、シフトを入れた作業者の記録も取れる。経営者も一目でシフトの厚い薄いが把握できるし、ドラッグ&ドロップで調整も簡単。データはkintoneのレコードとして登録されているので、絞り込み表示なども自由に利用できる。アプリのリマインダー機能を使って、出勤の一定時間前に通知するといったことも可能。

店舗名で絞り込む

特定の店舗のシフトだけを表示できる

気になる価格は?

 「カレンダーPlus」プラグインで店舗スタッフのシフトを管理できることがわかった。24時を越えるシフトが翌日にまたがってしまうのが気になるが、そこは色分けなどで対処できそう。

 そこで気になる価格だが、Basic版で3万9800円(~20名)とお手頃。買い切りなので、月額課金のプラグインより予算を組みやすい。無期限で試用できるので、がっつり試して、手放せなくなってから購入すると良いだろう。さらにリソース別にスケジュールを管理できる高機能なPro版も用意されている。

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