組みたい自作PC構成まるわかり!! 第19回
【今月の自作PCレシピ 番外編】夏休みはDIY水冷にチャレンジ!
本格水冷の入門に最適なキットに注目! GPU水冷化のベースにもOK!
2017年08月06日 12時00分更新
EK Water Blocks製本格水冷のおすすめ品はコレだ!
まずは、CPUウォーターブロックだが「Performance」シリーズは2014年8月に発売された同社フラッグシップモデルの「EK-Supremacy EVO」を採用。銅製ベースプレートや水流を加速するジェットプレートなどを採用する定番モデルで、単体で1万2000円程度する製品になる。
変わって、「Slim」シリーズが採用する「EK-Supremacy MX」は、8000円程度となるエントリーモデルになっている。「EK-Supremacy MX」も銅製ベースプレートなどを採用しているので冷却性能に不安はないが、トップカバーにアルミプレートが付属。本格水冷の醍醐味のひとつである水流が見えなくなっているのが、ちょっと残念かも。
続いてはポンプだが、「Performance」シリーズの魅力で述べたとおり、本格水冷ポンプの鉄板となる「D5」を採用した「EK-XRES 140 Revo D5 PWM」(実売価格2万2500円前後)。最大流量は「Slim」シリーズ付属の「EK-XRES 100 SPC-60 MX PWM」(実売価格1万1500円前後)の3倍以上となる1500L/hなので、CPU+マルチGPU、複数ラジエーターといった構成もオッケー。
「EK-XRES 100 SPC-60 MX PWM」は最大流量450L/hだが、CPUの水冷化には十分。コンパクトで、消費電力も6W(D5は最大23W)と低いのがポイントだ。
キットに限らないが本格水冷のポンプ固定方法をかなり楽にしたのが、EK WaterBlockのポンプブラケット。同社製のポンプハウジングを使う必要はあるが、120mmや140mmファンにポンプやリザーバータンク一体型ポンプを固定できる「EK-UNI Pump Bracket」は、覚えておきたい大事な本格水冷パーツだ。
なお、ポンプの回転数はPWM制御に対応しており、マザーボードなどからのコントロールも可能になっている。後述する水温計を追加して、ポンプやリザーバータンクの耐久温度を超えないように、ラジエーターファンやポンプの回転数を調節するのも本格水冷の大事なポイントになる。
最後の違いはラジエーター。「Performance」シリーズは幅130mmで厚さが38mmの「EK-CoolStream PE」。「Slim」シリーズは幅120mmで厚さ26mmの「EK-CoolStream SE」を採用している。幅と厚さ以外にも、フィンピッチが“PE”は22FPI、“SE”は19FPIになっている。
両モデルともに比較的フィンピッチが細かいが、水冷向けに設計された静圧重視ファンの最大1850rpmモデル「F3-120」が付属しているので問題ないだろう。ファン選びに悩まずに済むのもキットの魅力だったりする。
クーラントを薄める精製水やチューブを垂直にカットできるチューブカッター、水路内に残留している空気が水温の上昇により膨張した際に、水漏れやリザーバータンクなどのアクリル樹脂パーツの破損を招く圧力上昇を防ぐ圧力弁など、本格水冷キットに加えて必要なものもあり、完成までの道のりはそれなりに険しいが、自身の手で組み上げた際の感動と冷却パフォーマンスは抜群だ。
CPUより難易度は高いがGPUの水冷化も!
本格水冷の魅力のひとつがGPUの水冷化。最近はCPUの水冷化よりも要望が多いとのことだ。対応するウォーターブロックはNVIDIAが主流で、AMDと違ってリファレンスデザインの基板だけでなく、ASUSやMSIなどのメーカー独自デザインを採用するビデオカード向けのウォーターブロックもEK WaterBlocksから登場している。
対応ビデオカードが増加しているものの、GPUの水冷化は分解が必須。そのため、メーカーの保証が一切受けられなくなる点は忘れてはならないところ。一応、この点は標準で本格水冷向けのウォーターブロックを装備するビデオカードを購入することで回避できるが、製品の選択肢は少なめだ。
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