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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第6回

絶対に落とせない福島でメロン号は4位フィニッシュ!

2012年07月18日 18時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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メロン号が得意なコースが多い
デイ2が開幕!

 6月3日、デイ2。棚倉サービスパークは朝からうっすらと霧に包まれていた。霧が出てきたということは、昨日よりも気温が上昇している証だ。今日は1日良い天気が期待できる。

 この日、筆者はドライバー眞貝選手にひとつの指示を出した。それは「デイ2のステージを、ラリー北海道に向けた実戦テストとして走るように」。シーズン後半の要、第7戦「ラリー北海道」はハイスピードのステージが連続して登場するイベントで、マシンのセッティングもそれに合わせた特殊なものとなる。しかし困ったことに、本州のチームであるわれわれにはラリー北海道と同じようなシチュエーションで走行テストを行なうチャンスが、なかなか無い。

 でも今日は、今回の福島戦の中でも比較的スピード域の高いステージが揃っている。そりゃあまったく同じというわけにはいかないけど、実戦の中で得られたデータはテスト走行の時に得られたそれより何倍もの価値がある。当然リスクも若干高くなるけど、今日は好天なので路面の荒れも最小限に収まるはずだし、マシントラブルで脱落する危険性は昨日よりも減ったといっていい。おそらく、これはこれで分のいい策になるはずだ。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS10/Higashinobokuya-R I
(2.81km)
2:13.1(+4.8)46:11.5(+2:00.0)
SS11/MuroOodairagusa I
(5.01km)
4:49.5(+3.1)51:01.0(+2:03.1)
SS12/Mikabubokuya I
(2.76km)
2:27.6(+4.4)53:28.6(+2:07.3)
SS13/Higashinobokuya-R II
(2.81km)
2:09.9(+3.2)55:38.5(+2:10.5)

 デイ2に入って、メロン号がスピードアップ。最初のSS11でクラス6番時計、SS11では前走車クラッシュにより後続に一律3番手相当のタイムが与えられたものの、続くSS12、13ではそれぞれ4番手、3番手のタイムをマークした!

2日目の観戦ステージは、棚倉サービスパークから東へ20kmほど進んだ先にある「三株牧野」。小さな牧場脇にある流鏑馬のコースが観戦ポイントとなっていて観客に人気のステージだ

路面がカラッカラに乾いてるので、どんなマシンでもド派手な土煙をあげる。マシンが通過するたびに、オフィシャル員はコースに背を向けて土煙と跳ね石から身を守っていた

今回のイベントのデモラン&解説は、パリダカで知られた篠塚健次郎氏。幸運なお客さんの何人かが、篠塚氏の駆るランエボVIのサイドシート同乗の権利を手に入れていた

 ここにきてメロン号と秒差の対決となっているのは、今年からJRCに投入された2台の86、アフリカラリー選手権チャンピオンの三好秀昌選手が駆るCUSCO 86と、2010年JN-3クラスチャンピオン香川秀樹選手のGAZOO 86だった。特にCUSCO 86は、グラベルを重視したセッティングが当初からされているようで、スピードアップしたメロン号と一進一退の攻防戦になっていた。

 そして、ここからさらにメロン号のペースがアップするのだ。残る3本のSSは、インカー映像と眞貝選手のコメントでお届けしよう。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS14/MuroOodairagusa II
(5.01km)
4:49.2(+4.5)1:00:27.7(+2:14.9)
SS15/Mikabubokuya II
(2.76km)
2:26.5(+3.3)1:02:54.2(+2:16.6)
SS16/Higashinobokuya-R III
(2.81km)
2:07.3(+3.1)1:05:01.5(+2:18.2)

眞貝選手「初日のまさかの9位から、4位まで追い上げることが出来た2日目。目の前を走る86の2台を捉えるために、最終盤の3本は私なりに一生懸命走りました。2日目と違って路面は比較的慣れたコンディション。トップからのタイム差も、まぁこんなもんかなぁー、というところですね。このステージはとても走っていて楽しいコースです。まさに名物ステージですね!」

眞貝選手「SS14で86の2台を抜いたようですが、三好選手とのタイム差はわずか1秒程度! 前半の痺れる高速区間でも、後半の荒れた低速区間でもミスを重ねて再び三好選手に逆転される情けないSSでした。まだ“タイムの出し方の勘所”を押さえきれていませんね……」

眞貝選手「三好選手の86を再び捉えるべく、頑張ってみました。上位とのタイム差こそあれど、現時点では納得すべきアタックだったと思います。このステージはかなり高速で、ラリー北海道に向けてはいいイメージトレーニングになりましたね」

 ラストの3本のSS、メロン号とCUSCO 86の戦いは壮絶をきわめた。SS14では4番時計を奪ってCUSCO 86との差を1秒としたが、続くSS15では逆にCUSCO 86がセカンドベストを奪い、CUSCO 86がクラス5番手、メロン号がクラス6番手という順位となる。その差、わずか1.1秒!

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