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痛車でラリー! メロンインテ3年目は頂点への戦い 第10回

メロン号、全日本ラリーのクラスチャンピオンの栄冠に!

2012年12月22日 16時00分更新

文● 中村信博 ●撮影/中島正義、うえのふみお

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チャンピオンを賭けた2012年最後の戦いに挑む!

 チャンピオン奪取を明確に打ち出した、勝負の2012年シリーズ。前半戦でたび重なったアクシデントにより、一時はチャンピオンの座からはるかに遠のく事態となってしまった。だが、夏場から始まった後半戦は、眞貝選手の執念の反撃によって、タイトルレースにシリーズ3番手で生き残ることに成功!

 そして迎えたのは、最終戦「新城ラリー2012」。JN-3クラスの上位3台、すなわちBOOBOWブーン(村田康介選手/平山真理選手組)、CUSCO 86(三好秀昌選手/保井隆宏選手組)、それにわれらがメロンブックスインテグラ(眞貝知志選手/田中直哉選手組)がわずか1ポイント圏内で並び、この中でライバルよりも上に立ったクルーが最終的にシリーズチャンピオンをゲットできる。その戦いは、ファンの言葉を借りると「日本のラリー史のなかで一番熾烈で、後戻りのできない戦い」であるという。

開催前日の11月2日、筆者みずから運転するチーム機材車が会場の桜淵公園に到着。これだけの量の機材がよくサンバーの中に入ってたなあ……

翌3日朝。チーム員の到着を待つMRCチームブース

 文字通りの最終決戦。国内で開催されるターマックラリーではもっとも難易度が高いとされるこのイベントで、メロンブックスラリーチャレンジ“チーム2012”のチャンピオンに向けた最後の戦いがはじまる!

寒さを吹き飛ばす熱さでデイ1スタート!

 11月3日、デイ1。昨年は雨模様の新城だったが、今年は2日間にわたって快晴との予報だ。そのかわりに気温は放射冷却で肌寒く、じっとしていると地面からじわじわ寒さがはい昇ってくる。念のため、事前にファンの方にストーブを貸し出してもらったのは大正解だった。

午前9時。チームブースにてスタート前の最終チェックが進むメロン号。ブレーキの調子がいささか心配だ

 決戦にのぞむメロンブックスインテグラ(メロン号)の状態は、いささか悪い。じつは前回の高山戦で発生したブレーキトラブルが、事前のテストで再発していたのだ。ファクトリーで様々な対策を行なったが根本的な解決には至らず、ついに本番の日をむかえることになってしまった。3年間にわたって第一線で戦ってきたメロン号の疲労が、この大事な局面でついに限界を迎えたのか……?

午前10時、会場を埋めつくしたラリーファンのなかでスタートの時を待つ。めろんちゃんズもゲート脇で待機中だ

 午前10時17分。ゼッケン18「メロンブックスDUNLOPテインBRIGインテグラ」は、満場の観客が見守る桜淵公園ラリーパークのセレモニアルゲートを通過。いよいよ4年ぶりのタイトルに向けたチームの最後の挑戦、決して負けられない戦いがはじまった!

JN-3クラスのライバルたちと共に、メロン号もスタート。2012年シリーズ最後の戦いの火蓋が切って落とされた!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/Gampo North
(12.83km)
11:37.1(+23.9)11:37.1(+23.9)
SS2/Gampo Middle
(4.45km)
4:12.3(+0.1)15:49.4(+24.0)
SS3/Houraisen-ReverseⅠ
(4.23km)
3:41.2(+3.0)19:30.6(+23.6)

SS1 Gampo North

眞貝選手 「いきなり登場の雁峰林道は、無限にコーナーが続くような低速ステージでこのセクションいちばんの勝負どころ。慎重ながらもかなり好感触で数コーナーを抜けた先、一番最初の「ショート3R」へのブレーキングでペダルがスコッ! と奥へ……。そこから先は、もう完全に妥協の運転です。さらにステージ途中、カットライン上に落ちていた大きな岩を乗り越えた際にガソリンタンクを破損してしまったらしく、フィニッシュ後にリタイヤを考えるほど追い込まれてしまいました」

 だめだ、遅い! セクション1の勝負どころとなった「雁峰ノース」、メロン号はトップの久與レビンから約25秒遅い4番時計。久與レビンが突出して速く、一方で2番手以下のタイムがそれほど差が開いていないところから見て、スピンなどではなく単純にメロン号のスピードが乗っていないのだ。やはりブレーキが完治していないのか!?

SS3 Houraisen-ReverseⅠ

眞貝選手 「ブレーキとガソリンタンクの不安に対して気持ちが切り替わらないまま迎えた、ギャラリーステージSS3。昨年とは逆方向にアタックするこのステージは本来嫌いではないのですが、ブレーキが信用できないマシンでの下りは……怖かったです」

ギャラリーステージ

多くの観客が見守るギャラリーステージ「ほうらいせん」のヘアピンコーナー。写真で見ても路面が荒れきっているのがわかる。これがまたとんでもなくスリッピーなのだ

観戦場所は深い森の中で、走っていくマシンを上から見下ろす形となる。すでに1台のマシンがコースアウトしていたけど……判るかな?

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