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新時代突入! 未来が内部に満ちる「iPhone 4S」(前編)

2011年10月12日 10時00分更新

文● 林信行

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「iPhone 4S」ならではの機能とは何か

 iPhone 4Sの魅力を語る際に難しいのが、同製品がiOS 5とほぼ同時にリリースされたことで、従来のiPhone 4や3GSでも享受できるiOS 5の魅力と、iPhone 4Sだけで享受できる機能との区別がつきにくいことだ。

 ここでiPhone 4Sならではの機能をまとめてみよう。

(1) iPad 2と同様の「A5」プロセッサー搭載により、処理性能が2倍になり、グラフィックス描画も併せたパフォーマンスは約7倍になった
(2) 800万画素でありながら、明るく撮れるデジタルカメラ機能を採用した
(3) 動画撮影時にジャイロセンサーを使った手ぶれ補正が可能になった

 以上が、ここまで紹介してきたもので、加えて以下の特徴も挙げられる。

(4) AirPlay機能を使って、Apple TVをつないだTVにiPhoneの画面をミラーリング表示できる「iPhoneビデオミラーリング」
(5) アンテナを2つ内蔵し、電波の受信感度がいいほうで接続することで通信しやすくした
(6) 従来のソフトバンク回線での通信速度が2倍になった
(7) KDDIの通信方式、CDMA 2000にも同じハードで対応した

 たとえば、プレゼンテーションソフト「Keynote」のiPhone版と、(4)のAirPlayを使えば、プレゼンテーションが快適かつインパクトのあるものになる。無線LAN接続したiPhoneから、「Apple TV」に接続したプロジェクターにスライドデータを送り出して投影できるようになるからだ。

 手の中に入っているのが、スライドめくりのコントローラーではなく、スライドが入っている装置そのものなんて、ちょっとした未来のプレゼンテーションという感じではないか。

ハード、ソフトとクラウドの調和が
「iPhone 4S」の本当の魅力

 アップルは、常に魔法のような製品を作り続け、多くの人々にインスピレーションを与え、新たな文化を生み出し続けてきた。

 今回のiPhone 4Sも、間違いなく新たなポストPC(PCの次に来るデジタル機器)の文化の立役者となることだろう。GPSで指定したスーパーに行ったり、家に帰ったりすると、その場所でやるべきだった用事を教えてくれる「リマインダー」機能にも未来を感じる部分がある。

 今回は、実機を1週間(隠しながら)使った感想ということで、ややスペックよりの話が多くなってしまったが、その素晴らしさは、ハードウェアだけにあるのではない。今回紹介したiPhone 4Sならではの機能と、また紹介しきれなかったiOS 5の200の機能、そして後編で紹介予定のiCloudといった機能が見事に融合して、これまでとは違う新しいデジタルライフスタイルを生み出していることにこそあると思う。

 iPhone 4Sのデザインの変化の少なさにとらわれていると、大きな地殻変動を見逃すことになるかもしれない。

(後編へ続く)


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