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週刊 PC&周辺機器レビュー 第101回

Sandy世代のThinkPad T420sに見る「ThinkPadらしさ」

2011年05月13日 12時00分更新

文● 池田圭一

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今夏の東日本では重要な「ピークシフト」機能
旧ThinkPadでも使える!

 ThinkPad T420sを選択するユーザーにとっては、表示の高速さよりもバッテリー駆動時間の長さに重きを置く人が多いのかもしれない。6セルの標準バッテリー(満容量44Wh)での駆動時間は公称で約4.9時間(NVS 4200M搭載時の動作時間は資料にない)。電力管理アプリ「省電力マネージャー」を使うと、電力使用状況のリアルタイム監視はもとより、バックライト輝度などとも連動した設定変更が可能であり、これを使うことでバッテリー駆動時間の延長も図れる。

標準搭載の6セルバッテリーの容量は44Wh。取り外すとWANアダプタ搭載時用のSIMソケットが見えるが、日本の製品では未対応

「省電力マネージャー」で、電力使用状況をリアルタイムに監視・変更できる。ちなみに同ソフトで見ると、待機状態でほぼ6W、CPUを100%使い切る処理で31Wの結果だった

 電源周りで使いこなしたいのは、今期のThinkPadから標準搭載となった「ピークシフト」機能である。電力使用のピーク時にはThinkPadをバッテリーで動かし、夜間(深夜)の余力があるときに充電することで、一時的な電力不足を回避しようというものだ。リチウムイオンバッテリーへの充放電を繰り返すことになるので、バッテリーの寿命が短縮するというデメリットもあるのだが、この夏の電力事情を乗り切るためにもぜひとも活用したい。

ピークシフト設定の一例。平日の午前10~午後3時はバッテリー駆動、その後はACアダプターを使い、明け方の2時50分以降に充電するという設定にしてみた

 ちなみに省電力マネージャーを用いたピークシフト機能は、既存のThinkPadでも使える。「ThinkPad X120」など一部の機種では非対応だが、「ThinkPad X32」や「ThinkPad T43」など2005~2006年以降の機種の場合でも、最新の省電力マネージャーにアップデートすることで利用できるようになるらしい。筆者が所有する「ThinkPad X61s」でも、省電力マネージャー1.90でのピークシフト機能が動作している。

 ピークシフトの効果は微々たるものかもしれないが、設定しておけば「自動的に」切り替えてくれるのが頼もしい。バッテリー駆動時間が短い機種の場合でも、省電力重視の「マックス・バッテリー・ライフ」といった電源プランと組み合わせて使うことで、ピーク時間帯の電力消費を削減できるだろう。

ピークシフトはほかの電源プランと組み合わせて使うこともできる

 T420sのユニークな機能として、「AutoLock」機能も紹介しておこう。もともとは、ThinkPadのセキュリティー強化を目的に、搭載カメラでの顔検知機能を利用して離席時に自動的にロック(スタンバイ状態)するものだ。

顔認識機能を活かしたAutoLock機能。ユーザーの離席に応じて自動でロックする

 復帰に手動操作が必要だが、ロック時の輝度低下などを省電力マネージャーに設定しておけば、これもまた省電力モード移行のスイッチとして使える。

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