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行っとけ! Ubuntu道場! 第40回

~師範、“Natty Narwhal”って何ですか!?~

2011年04月14日 16時00分更新

文● hito(Ubuntu Japanese Team) イラスト●瀬尾浩史

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「Unity」って何だ?

瀬尾浩史:Ubuntu独自でないソフトウェアの違いは前ページでやった程度でOKなのペン?

hito:Kernelが2.6.38になってるけど……そんなに劇的な違いはないんじゃないかなー……。

編集S:あれ、「ミラクルなパッチ」とか言われてるものが入るんじゃ?

ミズノ:Linus絶賛ってやつですね。

hito:いやその……あのミラクルパッチというのは何というか……。

あわしろいくや:口を濁したくなりますなぁ。

hito:あれ、「デスクトップの裏で思いっきりヘビーな作業をしながら、音楽聞いたり動画見ながらコーディングする」みたいな人にとってしか嬉しくないんですよね。ヘビーな作業をしてても体感性能が劣化しないで、サクサク動いてくれる。ここでいう「ヘビーな作業」っていうのはカーネルのコンパイルのことを意味するんですが。

編集S:それって……。

やまね:自分でパッケージ作ったりする人にとっては多少効果があるかもねー。

hito:カーネル開発者にとっては超嬉しいものの、一般人にとってはあんまり……。アレが劇的に効果を発揮するようなバックグラウンドジョブってあんまりない気がする……。もちろんまったく意味がない、ってワケではないんですが、それ以外にも多々加えられてるいろんな修正とそこまで差があるとは……。

ミズノ:メリットを感じられるのは一般人以外ってことですね!

あわしろいくや:←メリットを感じられないいっぱんじん

瀬尾浩史:涙ぐましい一般人アピールなのペン……。

ミズノ:いくやさんが幾ら一般人を主張してもダメですよ! 一般人っていうのは自分みたいなふつーの善良な市民のことぺぐぅ。

編集S:だまれ。

小林:他のものとしては、Mozcが新しめのバージョンになる、というのはありますね。

hito:いろんな問題を越えて、Mozcがデフォルトの入力環境になる日は来るんですかねぇ……(遠くを見る目)。

あわしろいくや:どうですかなぁ……(遠くを見る目)。

小林:ソフトウェアの更新に関する部分はこんなものでいいですよね?

hito:もちろんSqueeze由来のいろんなソフトウェアの更新はあるんですけど、それをやると「●●がバージョン▼▼になりました」とかいう文字列で道場が埋め尽くされるという……。

編集S:そんなハードコア路線にするな。

瀬尾浩史:というあたりでUnityの話題に持ち込めるペン?

編集S:使いこなしは後に回して、「Unityって何?」っていう部分を先に済ませてしまいたい。

あわしろいくや:10.10から11.04への変更の最大のポイントですな。

hito:ひとことで言うと、「デスクトップ環境」がGNOMEからUnityになります。こんなの。

11.04の目玉、Unity……のダッシュボード画面。普通の環境でもネットブックでも共通して使える便利なものらしいぞ!

ミズノ:これまで下にあった、アプリケーションの切り替えパネルも左側に移動してたり。

やまね:最近のモニタ、ワイドばっかりだからねぇ。

画面の左側から「にゅーっ」と出てきたりするアイコンが並んだパネル。アプリが起動していると三角形のインジケータが左端に表示される

編集S:待て、なんで「デスクトップ環境」とか括弧書き?

hito:「デスクトップ環境」というものが示す範囲を説明しないといけないからですね。まあ、「GUI環境を構成しているいろんなもの」ぐらいの意味でいいとは思いますが。

あわしろいくや:KDEが「K Desktop Environment」である理由でもありますな。

ミズノ:レッツ、こんば……じゃなかった、レッツ解説!

編集S:あんたいくつだ……。

hito:えーと、昔々のUnix環境では、GUI環境を構成する要素が「ウインドウマネージャ」や「ファイルマネージャ」「テーマ」「プロセス間通信ライブラリ」などなどに分かれていたんですね。いや、今もあんまり意識されないだけで、分かれてるんですけど。

編集S:しまった、質問の回答によくわからない単語がたくさん含まれている!

小林:「ウインドウマネージャ」というのは、その名の通り、「ウインドウを表示させるための仕組みを提供するソフトウェア」ですね。MetacityやCompizが該当します。

ミズノ:「ファイルマネージャ」はNautilusとかでお馴染み、と。「テーマ」もAmbianceやRadianceのことがあるからお馴染みですよね。

やまね:プロセス間通信、の説明が難しいかも……。「プロセス同士でデータをやりとりする」こと、ぐらいの意味で理解しておけばいいんじゃないかなぁ。

あわしろいくや:どうせデスクトップ環境で影響するのはドラッグアンドドロップとかDBusぐらい……意外と重要ですな。

ミズノ:で、このあたりのソフトウェアをひとまとめにして、簡単に扱えるようにしたのが「デスクトップ環境」と。GNOMEとかKDEが代表例。

編集S:で、この「デスクトップ環境」がGNOMEから「Unity」と呼ばれてるものになる、と。

hito:さりげなくファイルマネージャはNautilusのままなんですけどね……。今のところは。もしかすると次のバージョンではファイルマネージャも置き換わるかもしれませんし。あと、テーマはUnity用に調整され直しています。プロセス間通信ライブラリはGNOMEのものと大差ないです。

ミズノ:要するに、「ガワ」の部分がUnityという新しいものになった、というつもりでいればOK、と。

やまね:GNOMEと操作違うよね?

ミズノ:わりといろいろ違いますね。

編集S:おっと、そのあたりはまた次のページでやるのだ。


(次ページへ続く)

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