とりあえず映ればいいんだけど、という人向け?
(ローエンド)
取材中、たまに店頭で聞こえてくるのが「ゲームとかしないし、ネットとメール、まぁDVDくらいは見るかなぁ。だから安いビデオカード頂戴よ」というようなユーザーさん。このような場合、マザーボード内蔵のVGA機能を利用した構成をすすめられることも少なくない。
どうしても「マザーやCPUを買いたくない、オレはビデオカードだけ買い替えたいんだ」というのなら無理にすすめはしないが、昨今のマザーボードに内蔵されている統合型VGA機能は非常に優秀だ。エンコード機能まで充実したインテル「H67」(VGA機能はCPU側に統合)はもちろん、AMDにも「AMD 890GX」といったチップセットがある。これらの製品が持つVGA機能は、今やローエンドクラスのGPUに匹敵する実力を備えている。
もちろん、オンボードVGAとビデオカードの併用や、GPGPU、デュアルディスプレイ環境の構築用に安いビデオカードをといったユーザーもいるだろう。そのような場合は、現役カードに限らず3000円台程度から販売されているので、それらを含めて探してみると意外な出物に出会える可能性もあるだろう。
ハイエンド製品の低価格化に注目
(番外編)
さて、ここからは少し趣向を変えて、かつてのハイエンド製品の今を確認しておきたい。まずは、下記に用意した約1年前の写真を見てほしい。
NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce GTX 480」搭載のビデオカードが発売されたのが、今からちょうど1年くらい前の話である。価格は6万2800円。初回のご祝儀価格という点を考慮しても、おおよそ6万円した代物だったわけだ。
それが、今や2万円割れで販売されているのだ(価格は取材時のもので、今日現在、販売されている保証は一切ありません)。2枚買っても4万円。「GeForce GTX 480」のSLIが4万円で可能と聞くと、なんだかハイエンド志向のユーザーでなくとも興味の湧く話ではないだろうか。
もちろん上記に示した例は極端なパターンではあるものの、週末の秋葉原は前述のような掘り出し物がゴロゴロしている。ここはあえて最新モデルを外し、安くなった新品の型落ちを狙うというのもアリなのかもしれない。
安くなったハイエンドビデオカードが狙い目
ここまで、2011年4月時点での最新ビデオカードについて紹介してきた。正直なところ、NVIDIAのGeForceにしろAMDのRadeonにしろ、コレ!といった決定的なオススメモデルが存在していないというのが実状だ。逆にいえば、ユーザーのみなさんが欲しいと思う製品をそのまま購入すればいいのではないか、ということになる。
筆者の個人的な意見を述べさせてもらうとすると、最近は特に現役のハイエンドビデオカードも低価格化が進んでいるように思う。GeForce GTX 580で約5万円前後、Radeon HD 6970で3万5000円前後という価格設定はユーザーにとっては非常に魅力的。一昔前ならハイエンドカードは高嶺の花だったという人にとっても、今なら少し背伸びをすれば購入可能となる範疇だ。
先ほど、かつてのハイエンド製品が大きく値下がりしていると紹介したばかりで恐縮ではあるが、今から来年のことを言っても鬼が笑うと思って、この機会にハイエンドビデオカードを購入しようかなと思う今日この頃だ。
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