今、図書館は個性が広がっている
―― テキストサイトをやられていた頃は身内から外に広がらないという気持ちがあったとのことですが、東京図書館制覇!で「これは広がったな」っていう感触を得たのはいつ頃でしょう。
Takeni 明確な時期は失念しましたが、しばらく続けたころ、図書館職員の方々からメールやコメントをいただくようになって、実感しましたね。最初は「一読者として、頑張ってください」みたいな内容でしたが、そのうち「今度これやるから取り上げてくれませんか?」や「こういう企画をやるから、来てくれませんか?」みたいな連絡もいただくようになって。
―― そういった企画はそのつど取材されているんですか。
Takeni それは厳しいですね(笑)。それぞれの図書館が年間を通してかなり頻繁に企画しているので、回りきれないんですよ。でも、連絡をくださる職員の方も全部ではなく、「これは是非」というものだけ知らせてくださることが多いので、できるだけ伺うようにしています。
―― そうした取材を続けているとき、図書館を回るようなった2005年頃からの変化を感じることはあります?
Takeni 一番強く感じるのは、開館時間ですね。昔は会社帰りだと寄れないかもという時間帯に閉まるところが多かったんですよ。でも、今は22時まで開いているところが3つもあるんです。回り始めた頃は21時45分閉館が一番遅かったんですが、2007年に千代田図書館が22時閉館となって、その後はリニューアルのタイミングで開館時間を延長するパターンが目立つようになりました。
ここ数年の間に、民間委託する図書館が増えたことが背景にあると思います。昔は、図書館の職員は公務員の方がほとんどで、その労働条件に沿って、勤務時間や閉館時間が決められているところが大半だったのでしょう。民間委託が進んだことで、委託先の企業の方針に沿って動けるようになったから、夜遅くまで開いているところも出てきたと思います。
―― すると、近隣の図書館同士で競争が起きたりして、個性的なサービスが増えそうですね。
Takeni そこは本当に様々ですね。公務員の方がやられている図書館も当然ありますし、民間委託のところもスタンスはバラバラです。クレームが起きないようにより強固な安全策をとるようになった図書館があるいっぽうで、オリジナリティのある企画やサービスを打ち出すようになったところもあるという感じです。積極的にチャレンジしているところでいえば、渋谷区の代々木図書館は都内の図書館で始めてTwitterを導入しましたね。入荷した書籍の情報や、現在の空席をつぶやいたりしています。一昔前より、図書館ごとの違いが大きくなっているのは確かでしょうね。
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