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ついに動き出した!

宇宙エレベーター技術競技会を見てきた【動画アリ】

2009年09月12日 12時00分更新

文● 秋山文野

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日本で初めての競技は無事に幕を閉じた

 この後は、ミュンヘン工科大学による高速化トライアルや、神奈川大学による兄弟クライマー同時上昇トライアルなどの試みが次々と行なわれる。ミュンヘン工科大学がバッテリーを設計本来のものにパワーアップし、秒速4.8mの高速上昇を見せたり、神奈川大チームが見事2台同時上昇を実現したものの、1号機が降りられなくなり、またまたテザー引き下ろしが発生するなど、楽しい(?)挑戦が続いた。名古屋大チームは、最後まで調整を続けたものの、競技に復帰できず棄権となり、心残りだがここで競技会は終了となった。

チーム奥澤、クライマー下降ならず。参加者総出でテザーを引き下ろす。「おおきなかぶ」状態との声がクライマー兄弟トライアルを行った神奈川大学チーム
同時上昇は成功したものの、この後先行するKSC-1が降りられなくなった競技終了後、バルーンの前で記念撮影。手を上げて「上へ参りま~す」のポーズ
閉会式で競技会成功を喜ぶ大野会長。涙する場面も競技会を講評する青木教授

 表彰式では、圧倒的な上昇スピードを見せたミュンヘン工科大学が、52秒/150mの成績で総合優勝。3分3秒/150mの成績を残した日本大学理工学部羽多野研究室チームが総合準優勝し、神奈川大学工学部江上研究室 KSC-1チームが3分16秒/150mで総合第3位として表彰された。

 「初めての挑戦であり、なるべくいろいろなチームを表彰したい」と青木教授の意向を反映し、クライマーのさまざな部分を評価する賞も贈られた。「スピードクライマー賞」にはミュンヘン工科大学、クライマーへの各種センサー類搭載や稼働状況を評価する「多機能クライマー賞」にはこれまたミュンヘン工科大学チーム。電子部品配置の工夫やモーター電磁ノイズ対策など、12項目の回路設計を評価する「サーキット賞」には、回路自作にこだわった日本大学理工学部羽多野研究室チーム、クライマーの落下・衝撃対策や安全面を考慮したブレーキなど、SE上での運用を考慮したクライマー設計を評価する「メカニズム賞」には、空中で静止するブレーキを組み込んだ日本大学理工学部青木研究室に贈られた。外観の美しさを評価する「未来デザイン賞」に輝いた神奈川大学工学部江上研究室KSC-2には、「あなたの弁当箱、最高でした」とのコメントが。

表彰式。青木教授も、参加チームも笑顔がこぼれる総合優勝に加え、スピードクライマー賞、多機能クライマー賞と3部門を制したミュンヘン工科大学
印象的なJSETEC開催ポスター。近隣の方と思われる女性が興味津津で見入っていた

 夕方から豪雨となったこの日、降りだす前に無事競技会は終わったが、翌年に向けて挑戦は続く。次回はテザーを300mに、その次は600mの高さまで上げていくとのこと。参加チームはより高速・安全、確実に上昇するクライマーが求められることだろう。米国での競技会を主催するスペースワード財団から競技会見学に訪れたレン・J・アノゲル氏は、バルーンでテザーを釣り上げる日本方式を「ナチュラルだ」と評価していた。今年のPowerBeamingコンテストでは、ヘリコプターで1500mのテザーを釣り上げたところ、テザーが切れてしまうアクシデントに見舞われ、競技延期になったそうだ。自然条件を競技に取り入れた日本式が、SE実現に寄与するシーンもきっとありうる、そう思わせた第一回競技会だった。

クライマー上昇

競技二日目、神奈川大学KSC-1の昇降。「3、2、1、スタート」で計測を開始する。競技の緊迫感ただようが、ウグイスが声援を。


ミュンヘン大学の活躍

優勝チーム、ミュンヘン工科大学が優勝した昇降。ドイツ語でのカウントダウンがクライマーに伝わったか。あまりの速さに「はや~っ!」と驚きの声が漏れる。


トラブルに泣かされる

チーム奥澤のクライマー。モーターを取り替えての昇降で、登りきったものの、この後降りられなくなった。

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