Google Appsの問題点は?
Google Appsは、クラウドベースのサービスというメリットはあるが、問題点もありそうだ。電子メールに関しては、社内や社外からのアクセスといったハードルやマルチデバイスでのアクセスといったメリットはある。しかし、ユーザーインタフェースに関しては、問題もありそうだ。
AJAXを使ったUIを構築しているため、PCのWebブラウザで使えばかなり使いやすいモノにはなっているが、OutlookなどPC上で動作しているメールクライアントを使っている人が、一気にWeb UIのGmailに移行すると違和感が大きい。たとえば、Gmailでは、メールをすべて、クラウドのサーバーに保存しているため、フォルダという考え方ではなく、ラベルで振り分けることになる。
UIに関しては、好き嫌いや、慣れということがあるため、一概にGoogle AppsのUIが悪いとも言えない。しかし、もう少しUIに関して、選択性があってもいいのではないだろうか? たとえば、Outlook風のUIを提供するなどすれば、多くのユーザーが移行しやすいだろう。
こういったユーザーニーズがあるためか、Googleでは「Google Apps Sync for Microsoft Outlook」というアドオンソフトを提供した(6月18日付け)。
このソフトをOutlookと共に使うことで、Google Appsのメール、カレンダー、連絡先などをOutlookから利用できるようになった。これなら、既存のOutlookをそのまま使いながら、バックエンドのメールサーバーとしてGoogle Appsが利用できる。
今後、Googleがビジネス分野に入っていくためには、このような地道な努力が必要になってくるだろう。
Google Apps Sync for Microsoft Outlook
次に、Googleドキュメントについても、クラウド上にデータを保存して多くのユーザーと文書を簡単に共有することができる利便性もあり、日々改良されてはいるものの、そのUIはPC上のWordやExcelよりも素晴らしいとは言えず、Microsoft Officeの機能を超えるとは言えない。
そして、ビジネスで利用するためには、ユーザーのアクセスコントロールという問題もある。Google Appsでは、アクセスできるユーザーを“登録”することはできるが、グループや部署、部門といった概念がないため、ユーザーを一括でコントロールすることが難しい。
「Google Appsの課題として挙げられるのは、アクセスコントロールですね。企業においては、ドキュメントのアクセスをコントロールする仕組みが必須となります。将来バージョンでは、こういった事も考えていく必要はあると思います。そのときは、Google Appsに独自のシステムを作るのではなく、既存のディレクトリ(サービス)と連携して動作するようなシステムを考えています」(前出・泉氏)。
どうやら、WindowsのActive Directoryなどと連携するアクセスコントロールシステムを検討しているようだ。
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