静止画感覚でそのまま動画を撮影
ハイビジョン動画の記録はすでに他社製一眼レフデジカメでも可能な機種が出てきているが、GH1は静止画での撮影モードのまま動画撮影が可能になっているのが特徴だ。
静止画用に用意された「おまかせiA機能」や「シーン認識機能」を生かしたまま動画で記録ができる点が、他社のデジイチ動画機能とはひと味違う。
GH1で撮影した動画サンプルを用意した。ともにMotionJPEGで1280x720ドットで撮影したものをMPEG-4(.mov形式)に変換。iTunesやQiuckTimeなどで再生できる。ファイルはzip形式で圧縮してあるので、ローカルHDDなどにダウンロードして展開してほしい。
「動画1」は上の写真の元の映像だ。シャッタースピード優先で、遅いシャッター1/30から始めて1/4000秒まで早くし、その後1/30まで遅くしている。早いシャッター時に暗くなってしまったが、これは絞りもISO感度も限界値を超えてしまったためだ。
「動画2」は、センターにAFポイントを固定してフレーミングを変えている。冒頭はカメラまかせのAF動作。29秒あたり(花にピントの合う箇所)と、33秒あたり(手前の花にピントの合うところ)はシャッターボタンを半押しにして、ピント合わせにブーストをかけた。若干早くピントが合う。
本体上部のモードダイアル上にある「M(マニュアル)」「S(シャッター優先)」「A(絞り優先)」「P(プログラム)」の各モード時にはオート露出の動画になる。
さらにモードダイアルには「クリエイティブ動画」機能が追加されており、設定メニューから「マニュアル」「シャッター優先」「絞り優先」「プログラム」のモードを選んで動画記録をすることができる。
これによって撮影中に露出補正で明るさを変えたり、シャッターや絞りを変えて動きや被写界深度を変更しながらの撮影が可能だ。
絞りはレンズの持つ設定幅で、シャッタースピードは1/30~1/4000秒までの範囲で設定できる。ISO感度は「M」では100~1600まで、「S」「A」「P」時には100~1600までと「AUTO」(オート)を選ぶことができる。
マニュアルでは、絞りもシャッターもISO感度もすべて手動で設定しなければならず、適正露出で動画を記録するにはモニターで明るさを確認しながら撮影する必要がある。マニュアル時にもISOオートが選べれば、シャッターと絞りの組み合わせが適正範囲を超えても適正露出の画像が記録できて便利だっただろう。
コントラストAFは動画記録中でも動作する。フォーカスを「オート」にしておけば(シングルでもコンティニュアスでも)AFが動作する。
さすがに動画記録中のAF速度は緩慢だが、シャッターボタンを半押しにすれば静止画撮影時とほぼ同等のスピードでAF動作が行なわれる。ピント位置の動きの少ない場合には、そのままカメラまかせでピント合わせをさせておき、大きくピント位置が変わってカメラが迷っているような時にシャッターボタンを半押しにすれば、多少は早くピント位置を決め直すことができる。