温度と消費電力
最後に温度と消費電力を見てみよう。GPU温度はHWMonitorPro 1.03を、消費電力はワットチェッカーを使用して計測している。計測はアイドル時(EIST有効)はWindowsが起動してから15分放置した時点、高負荷時は3DMark VantageのGAME2テストを連続して5回実行し、最も高い値を抜き出している。
いずれのビデオカードもGPUクーラーに大きな違いがあるほか、ファンの回転数制御も異なるため、GPU温度が高いからといって冷却能力が低いわけではない。最近の製品は、ファン回転数を抑えて騒音を下げる方向に振っているものが多いため、温度は比較的高くなりやすいことは覚えておこう。ATIもNVIDIAもコントロールパネルにてファン回転数を手動設定できたりするので、温度が気になる場合はファン回転数を上げるのも手だ。
さて上記を踏まえた上で温度を見てみると、4製品ともアイドル時の温度は50度を下回っている。高負荷でもGTX 260、9800 GTX+が64度であり、十分冷却されていることが分かる。ちなみにこの4製品でもっとも静かだったのは、HD 4870で、次点でGTX 260だった。9800 GTX+と9800 GTもパフォーマンスを考えれば十分静かなレベルだ。一昔前はミドルレンジでもうるさい製品が多かったが、最近のビデオカードは本当に静かになったものだ。
次に消費電力だが、アイドル時は123~157Wと落ち着いており、突出して高いというほどでもない。高負荷になると、HD 4870とGTX 260はほぼ同じ、9800 GTX+もそれに続く消費電力となった。そしてストリーミングプロセッサ数が最も少ない9800 GTが最も低いのは、予想通り。
コストパフォーマンスでHD 4870
オールマイティなGTX 260
価格の高いHD 4870、GTX 260のスコアはほぼ並んでおり、あとは好みの問題といえるレベルの差だが、NVIDIA寄りのゲームだとGTX 260が有利になる可能性は高いため、無難に選ぶならGTX 260だろう。そこに価格を加味すると、3万円を下回る製品が増えてきたHD 4870もかなり魅力的。
9800 GTX+は絶対的なパフォーマンスではGTX 260に及ばないものの、価格差次第では候補になるだろう。今回テストしたゲームタイトルでもそつなく動作するため、買って後悔することは少ないと思われる。が、あと5千円ほど出すとGTX 260やHD 4870が買えることを考えると微妙なことは確か。
またGeForce製品は「NVIDIA CUDA」で、Radeonは「ATI Avivo Video Converter」にて、映像エンコードをアクセラレートできるというメリットがある。使用するソフトや映像ソースによって両者の有用性は変わってくるが、このあたりも考慮して製品を選びたいところだ。手軽にエンコードならRadeon製品、TMPGEnc Xpress 4.0などを使うのであればGeForce製品を選ぶといったところだろうか。
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