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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 ― 第50回

2008年、iPhoneショックとは何か? 林信行氏に聞く!

2008年12月04日 18時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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【今週の1枚】New Yorkにて。マップで検索すれば、旅行先でも迷う心配がない。常に携帯しているiPhoneがあれば、欲しい情報はいつでも手の中にある

 おかげさまで、本連載は50回目を迎える。2007年末から2008年にかけての1年間は、ケータイにとって様々な変化があった年だった。その象徴的な端末がソフトバンクモバイルから登場したiPhone。iPhoneの日本上陸とは何だったのか、ジャーナリストの林 信行氏へのインタビューで明らかにしていきたい。

2008年最大のインパクト、やはりiPhone

 2007年6月にアメリカで発売がスタートしたiPhone。2008年7月11日に日本でiPhone 3Gが発売されるまでの1年間、日本のケータイ市場は、どうiPhoneを迎えるかについての動きが活発だったといえる。

 iPhone 3Gをリリースしたソフトバンクモバイルの孫 正義社長は、iPhone以前から「モバイルインターネット元年」を宣言し、インターネットマシン「SoftBank 923SH」など、ネットに親和性の高い端末を投入してきた。またNTTドコモもBlackBerryの個人向け販売や、4シリーズに展開した製品ラインにスマートフォン向けの「PROシリーズ」を盛り込むなどの変化があった。

10月30日に発表したiPhone用充電・ワンセグチューナー「TV&バッテリー」。孫社長は徹底してiPhoneの弱点を潰していこうとしている

 「2007年から2008年の前半にかけて、iPhoneを狙って各社が動いてきましたが、もしiPhoneが取れなかったときに備えて、スマートフォンの領域を拡充してきた動きが印象的でした。販売奨励金がなくなってケータイそのものの価格が見え始めると、ユーザーの買 い控えが起きてしまいます。キャリアとしてはコンシューマー向けの販売が冷え込んだら、次は法人需要で勝負を賭けていくしかない。そういった理由からもスマートフォン製品の拡充は欠かせなかったのでしょう」(林氏)

毎週のように全国各地を飛び回って講演を行なっている林 信行氏は、iPhoneで現地の観光スポットの情報を手に入れているそうだ

 林氏は、ソフトバンク・孫氏の「日本はケータイ先進国と言われているが、コンシューマーケータイの先進国であって、ビジネスモバイルの先進国ではない」という言葉を引用した。確かに日本のケータイは高機能で、ウェブに繋がるという点では、海外でスマートフォンと呼ばれる端末と同じ。しかし、VPNで企業のLANに接続したり、Exchange Serverからメールやスケジュールをそのまま取ることはできないのだ。

 そこでドコモはBlackBerryの新モデル「BlackBerry Bold」を2009年初頭に投入することを決め、これまでスマートフォンに取り組んでこなかったauもHTCのWindows Mobile端末をリリースすることを検討し、ソフトバンクもiPhoneだけでなくHTCの端末やノキアの端末を揃えてきた(ノキア端末のうち、フルキーボードのNokia E71は現段階で発売されるか決まっていない)。このように、日本ではビジネスモバイル市場の高度化への動きを強めているのだ。

BlackBerry Bold NTTドコモの「BlackBerry Bold」は2009年初頭に台風の眼となるか?

 「2008年は年初からの伏線として、ビジネスモバイルやモバイルインターネットへの取り組みがあった上で、7月のiPhone 3G発売を迎えることになったのです。そういう意味でも業界全体が、iPhoneを迎え撃つ体制を取った点が大きかったのではないかと思います。そんな中でも、世界的に見て、アップルはケータイ業界にうまく参入してきたと思います」(林氏)

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